素人田舎経営の道の駅は無印良品運営の「みんなみの里」を見習うべき

道の駅は基本的に税金垂れ流しの放漫経営が多い

わたし、道の駅が好きで、千葉県の房総半島のはほぼ行きました。北海道や伊豆などは当然ながら有名なところはほぼ行っています。中には賑わっているところもありますが、だいたいは薄暗くて土っぽく、現金のみでカードも電子マネーも使えない。置いてある野菜は安いけどたぶん農協に出荷できない形が不揃いだったりするやつ。それはそれでいいのですが、どこもほとんど似たり寄ったり。

  • 現金のみ
  • 農家が持ってきたものを並べただけ
  • 薄暗い
  • ほこりっぽい倉庫みたいな感じ
  • そこの生産品でないものや、日本中どこでも売っているOEMの味噌汁などもあってどっちらけ

というマイナス点が共通しています。

コロナ前の記事ですが、

「儲かる道の駅」と「赤字の道の駅」にある差

「儲かる道の駅」と「赤字の道の駅」にある差
この年末年始、帰省や旅行の際に「道の駅」を訪れる人も少なくないのではないだろうか。長旅の途中の休憩所としてだけでなく、地元の食材や名産品をリーズナブルに手に入れられることから、わざわざ道の駅を目指す…

その道の駅を率いる中澤氏は、全国公募で選ばれ、リクルートを辞めて初代駅長に就いた人物だ。着任してまず行ったのは、大手コンサルタント会社が立てた基本プランを白紙にすることだった。建物ばかり豪華で商品に競争力がなかったり、開業後の減価償却費が収支試算に考慮されていなかったりと、そのまま計画を進めればすぐに赤字になることが確実視されたからだ。

ブロの目から見ると経営的、マーケティング的に雑な面が多いわけですよ。

道の駅は市町村やそれに準じる公益法人などと道路管理者が連携して設置し、国交省によって登録される。駐車場・トイレ・情報提供施設・休憩施設などの整備に関する費用には国交省から補助金が下りるほか、併設する地域振興施設の部分にも各種補助事業の採択を受けられる場合がある。

2015年に国交省が発表した資料によると、「全国年間売上額約2100億円」「全国年間購買客数約2億1000万人」(当時の道の駅登録数は1059駅)。単純に計算すれば平均売上高は約2億円ということになるが、「萩しーまーと」のように10億円を超える駅もあるので、売り上げが1億円を下回る駅も多いことだろう。

最新のデータを確認するため国交省と全国「道の駅」連絡協議会に問い合わせたところ、「温泉などの併設施設の売上高を含める・含めないなどが統一されておらず、一部推計も含まれており正確性に欠けるデータであるため公表していない」という回答だった。上記の事情により正確な数字は出せないものの、「全体の3割程度は赤字」という説も耳にする。全国を回る中澤氏も肌感覚でその位だと感じているという。

全体の3割が赤字!!!

実際には赤字でも名目上黒字にしているケースも多いと言われていてもそれでやっていけるのは税金が注ぎ込まれているからです。南房総市の道の駅の経営母体の経営陣を見ると、

地元の名士、役人、天下りがたくさんいて、あまりセンスはなさげにも見えるのです・・・・・・。

無印の経営する道の駅「みんなみの里」が凄い

マーケティング的に優れた大企業が参入したらどうなるか。その答えが鴨川市にある無印良品が経営するみんなみの里だ。無印はかつては西友の子会社だったがとっくに独立しておる。

はじめて行って感動したのでツイートしたところ、否定的な意見が大半。www

実はわたしも無印は「お金は無いけど意識だけ高い」的な印象で普段は行かない。モノトーンの服の化粧気のないx30代女子が行く印象である。上のツイートのコメントもこの印象から「無印がやってる道の駅なんて」というものが多かったが、はっきりいって、

行ってみてからそれ言え

という感じであった。わたしもはじめていったんですけどね。www

そこで本日は、このみんなみの里のどのあたりがマーケティング的に優れているかを解説したい。

案件じゃないけど詳しく解説するよ。

まず、勘違いされてる人が多いですが、無印良品売ってる道の駅じゃありません。w

右に無印の小規模店舗があり、左が道の駅です。

駐車場はかなり広々。

右の無印店舗。一応揃っていますが、利用しているのは別荘や旅行客かも。タオルやハンガーや歯ブラシ買ったりとか。

このみんなみの里。一般の道の駅と一番違うのはおそらく、

普通の道の駅  現地生産車が持ってきたものを置くだけ
つまりは各生産者に売れ筋とか工夫はお任せ。運営にはリスクなし

みんなみの里  無印側から提案、依頼している
という点が大きい。たとえば米

とにかく種類がめちゃくちゃに多い。30種類くらいはある。目立つのは天日干し。一般の道の駅では2キロ以上のものが多く、小分けは少ないがここでは小さな袋でいろんな種類のお米を試せるのです。

都会からの観光客は家族数も少ないから大きいのを買っても精米から時間が経って劣化する。小分けは飛ぶように売れていますが生産者は面倒だからなかなかやらないのでは?

柑橘類だけでこんなに種類と量が。。。。サンマのシーズンにヤバいですよ。

他の道の駅では見たことないのですが、唐辛子の充実は異常。w

おそらく生産者に依頼して作っているのだと思いますが、生のジョロキアとかハバネロとか初めて見たわ。日本でも温暖な場所だから作れるのかも。

そしてパンはめちゃ充実。

ヤバいレベルのランチタイム

大人気のランチタイム。地元の野菜が食べ放題。

もちろんカードも電子マネーも使えます。

地元に密着しているのはランチが住民が500円安くなること。Win-Winです。

野菜ですが、こんな感じです。サラダバーと言うよりほとんどが調理してある。反対側にもあります。

鴨川はいまレンコンの生産を売り物にしていてこれが旨いのよ。塩揚げです。

ふだん、こんなに種類食べないけどこういうときは食べる。おかわりしました。

んで、本日のメインはカレー

こんなスペースもあって古本も売ってるのだが、セレクトがいい。

大きな美術書。300円です。好きな人にはたまりません。

まあ、今回のレポートで言えるのは、

  • どこにもあるような道の駅は誰にも必要とされない
  • そこでしか買えないものがない店舗は不要
  • お百姓さんにマーケティング丸投げはやめとけ
  • コンサル会社に丸投げ止めろ
  • 地元の有力者を取締役に山盛り据えて給料払うのやめとけ
  • 場所が良いのに客が入らないのはよほど酷い
  • 税金、補助金をあてにせず黒字化できないならやめろ

こういう感じでしょうか。

無印良品のマーケティング力ってスゴイなとも思いました。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2023年10月16日の記事より転載させていただきました。