「デジタル万引き」は窃盗罪にならないの?

元TBSテレビ執行役員で、現在も報道特集」のキャスターを務め、早稲田大学大学院政治学研究科客員教授でもある金平茂紀氏が自身の講演会で「『安倍晋三回顧録(中央公論新社)』を僕は買いたくないんで、本屋で立ち読みして、必要なところを写メした」ことを告白したことが話題になっています。

安倍晋三回顧録を「ハイエナビジネス」と言ってしまったうえにデジタル万引きを告白してしまいました。

当然ながらこの「告白」に対して多くの怒りの声が上がりました。

悪いことをしているという自覚はないようです。

世代的にハッキングすることは無理かもしれません。

金平記者に対するTBSの見解が気になるところです。

しかし、「デジタル万引き」は犯罪としては成立しないようです。

本屋で本を撮影する「デジタル万引き」が違法ではない理由 シェアしたくなる法律相談

本屋で本を撮影する「デジタル万引き」が違法ではない理由 - シェアしたくなる法律相談所
本屋で本を撮影する行為は「デジタル万引き」などと言われます。 写真に撮ってしまえば、本の内容をそのまま持ち帰ることができますが、本をそのまま持ち去るのととても似ているため、このように言われています。 つまり、本を買わなく...

専門家によると

デジタル万引きは写真に撮影しているだけであり、画像データとして記録されるものの、財物である「本」それ自体を窃取するわけではありません。したがって、窃盗罪が成立することはありません。

また、著作権法の絡みでは、

著作権法は、私的利用のための複製については著作権者の許諾なくすることができるとしています。

デジタル万引きは、基本的には自分が読みたいから撮影しているのではないかと思われ、基本的に私的複製として許されることになります(購入してない本であるため、若干疑義が残らないではないですが。)

そして、「理論的には、デジタル万引き目的で本屋内に入った場合、建造物侵入罪が成立する余地がある」のではないかと付け加えています。

なんとも不可解な法律の立て付けですが、これを機会に「デジタル万引き」の議論が広がるといいですね。