免許なしでキックボードに乗れる不思議な日本

最近、日本でも良く見かける電動キックボード。利用者は気持ち良さそうに走っていますが、極めて危険な乗り物だと思います。

y-studio/iStock

ボードの上に足を乗せてバランスをとる乗車方法は極めて不安定です。また、車輪が小さいので段差に対応しにくく、道路の凹凸があれば、簡単に転倒してしまいます。

時速40キロくらいまでは簡単に出そうですが、バランスを崩せば大怪我です。

ところが、日本では道路交通法の改正により、今年7月から免許なしでも一定の条件で公道で運転できるようになりました。

海外では、日本とは反対に規制強化の動きになっています。

例えばフランスのパリでは、住民投票の末、シェアリングサービスが禁止となったそうです。フランス以外の欧州各国でも規制強化に動いています。

海外でやっていることが全て正しいとは思いませんが、日本が欧州の流れと逆に動いている背後には、何か大人の事情があるのでしようか?

電動キックボードは、利用している本人だけでは無く、周囲にも迷惑や危険をもたらします。

自転車と同じように、路上に放置されれば通行の邪魔になります。

何より怖いのは、免許なしで無謀な危険運転をする人たちです。

歩道を猛スピードで走り抜けると、歩行者に接触して事故につながります。

また、車道で車と接触して転倒すれば、自動車の運転手の責任も問われることにもなりかねません。

電動キックボードの利用者が事故に遭うのは、冷たい言い方をすれば自業自得です。しかし、無謀な運転をする人に巻き込まれるのは勘弁してほしいものです。

メディアの報道によれば、パリの電動キックボード事故は2022年に408件も発生して、死者も3人出たそうです。

日本も事態が深刻化する前に、安全対策の規制などの手を打つべきだと思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年10月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。