バイエルン放送交響楽団&サー・サイモン・ラトル

23/24音楽シーズン、ようやくスタート♪

バイエルン放送交響楽団&サー・サイモン・ラトル。

今は亡き最愛指揮者マリス・ヤンソンスの後任に、今シーズンから、サー・サイモンがやってきた。就任直後のヨーロッパツアーかな?

フィルハーモニー・ド・パリ、満員御礼。同じ曲を2月に、ミュンフェンフィル&ヴィオッティでやった時は、かなり席空いてた。オケのクオリティは両方トップ、となると指揮者の人気の差?

結果的に、個人的には、先日のミュンヘンフィルの方が好み。

甘くロマンティック、匂い立つような弦に、ヤンソンスを思い出して思わず涙。コンマスのアントン・バラショフスキ(?いつも読めない・・)、前から大好き。今夜も、なんとも繊細でたおやかで甘い音色を響かせている。

ホルントップのデュフィン、だーいすきなのだけど、今日はヴィオラの影で全く見えない。ん、というか、上手は上手だけどデュフィンじゃないかも??最後に立ったとき、チラッと見えた姿もなんか違うような。

木管、特にオーボエ、最高。席的に、コントラバスの素晴らしさも、今夜は堪能。

マーラー6番は、それはそれは見事なオーケストレーションで、作品としてすでに見事で聴きごたえたっぷり。なのだけど、サー・サイモンのよい意味でも悪い意味でも優等生的で陽キャな雰囲気に、三楽章でたまーに飽きる。

ミュンヘン&ヴオッティが超重量級でマッチョなら、バイエルン&ラトルはワントーン女性的でエレガントにマーラーを表現。

ハンマーの轟きも、ミュンヘンの時よりほんの少し小さく感じる。とはいえもちろん、真上あたりの席の観客は、1度目は文字通り飛び跳ね、2度目はウキウキしながら振り落とされる瞬間に目を凝らしてた。

サー・サイモンのいでたちは、上下黒、ジャケットはよーく見ると極薄いペイズリーモチーフ。シンプルな靴は、チラッと底が赤いような。スコアなし(見ながら振る指揮者の方が好き)。

80分の熱演の後、大喝采と大拍手に包まれる、サー・サイモン&バイエルン放送響。ヤンソンスの魂がまだ宿るオーケストラに、私もたくさん拍手送る。


編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々5」2023年10月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々5」をご覧ください。