晴海フラッグで住民と管理会社のバトルが始まる予感

晴海フラッグへの引っ越しが再来月に迫ってきました。今週は共用施設の見学会があって、現地の敷地内をぐるっと見て回る機会がありました。

電柱の無い計画的に区画整備された広大な敷地に、新しい建物が整然と建ち並ぶ情景は東京都心3区では他には無い希少性があります。メトロ駅からのアクセスの悪さを割り引いても、資産性は極めて高いと考えています。

しかし、実際に生活する場合、計画された無味乾燥な「街」では、これから様々な問題が住民に降りかかってくるのではないかと懸念します。

まず最大の問題は、駐車場不足です。駐車場は抽選になっており、1戸に1台とはなっておらず、抽選に外れると敷地外に駐車場所を探さなければなりません。しかし、車庫証明を取るにはある程度の距離に確保する必要がありますから、車を手放さざるを得ない人も出てきます。

とは言え、特にお子さんのいるファミリー世帯では車は必須です。

今後、駐車場不足問題が入居者から大きな不満となって噴出することが予想されます。

次に、商業施設問題です。敷地内にはららテラスという三井不動産系の商業施設が入るようですが、決まっているテナントを見ると「なんだかなあ・・・」の気分になります。世帯数に対して規模も小さく、敷地内だけで用を足すことはできそうにありません。

コンビニエンスストアは今のところファミリーマートが一軒だけしか確認できていません。

休日になると住人が大挙して飲食店に押し寄せれば、恐らくお店に入るのは一苦労。コンビニも欠品だらけになりそうです。ここでも需給バランスの悪さからの不満が爆発しそうです。

更に、以前から指摘している新橋・虎ノ門方面へのBRTの運行頻度と運行時間の正確性も不安材料です。

雨の日の通勤時間帯に長蛇の列ができ、運行スケジュールが乱れれば、これまた大クレームです。

日本の大手不動産会社が共同で手掛ける開発プロジェクトだけに、何をするにも各社の調整に時間がかかり、問題が発生しても解決にはいちいち煩雑な手続きが必要になりそうです。

うるさ型の住人がたくさん集まりそうなマンションなので、住人と管理会社とのバトルが激しくならないか。今から心配です。

管理会社は、問題が顕在化して、メディアの餌食になってから後手後手に対応するのではなく、今のうちから想定される問題に先手を打って、改善できるところを改善しておいた方が良い。僭越ながら、そうアドバイスしたいと思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年11月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。