徹底解説・政策提言の実現可能性を上げる要素「政治家・議連」とは

厚生労働省 SakuraIkkyo/iStock

「政治家」は政策を変える有力な変数

政策の提案の中で、数あるステークホルダーの中でも大きな力を持っているのが「政治家」です。政治家には、「政策の優先順位を変える」力があるからです。

大臣など行政機構の中にいる政治家は、官僚に「指揮命令を行う」立場ですし、与党の政治家は、政府に進めるべき政策を提案することができます。あなたが何らかの政策を提案したいとき、その「優先順位」を高めてもらうのに、政治家の協力は欠かせません。

では、政治家であればだれでもよいのでしょうか?

もちろん、そういうわけではありません。政治家それぞれに、興味や影響力のある分野は異なります。また過去に、どのような「立場」を経験したかによって、発揮できる影響力の強さも変わります。

基本的な政策作りの流れは下記の1~5で表せます。

  1. 政策を変える「きっかけ」(官邸の意思表示や事件など) の発生(※)
  2. 官僚が政策案を作成
  3. 政策案を審議会などの会議で議論し、政府案を作成する
  4. 与党の部会等で、政府案に対して「お墨付き」が与えられる
  5. 国会の議決で政策として成立する

(※)政策を変える「きっかけ」については、「第45回:政策提案の実現可能性を爆上げする政策のモメンタム」で詳細に解説しています。

個人の政治家、および特定分野の政策に関する政治家のグループ「議員連盟(議連)」は、1~5のどの過程にも濃淡ありつつ関わるのですが、「特定の過程の優先順位を変えたいなら、この立場にある人(議連)」というポイントがあります。

つまり、あなたが実現したい政策がどの過程にあるのかに合わせて、アプローチすべき政治家(議連)が変わることもありえます。あなたの政策に賛同してくれそうな人たちやグループがどこにいるかを把握することは、政策変更を考えるうえで重要な要素となります。

2023年9月に岸田政権の多くの閣僚が交代しました。このことは当然ながら政策提案活動に大きな影響を与えます。

今回の記事では、2023年9月の組閣の影響を踏まえ、厚生労働分野において1~5のそれぞれの過程でキーマンとなる政治家について紹介します。また、与党における議論で力を持つ「議員連盟(議連)」について、どの分野にどのような議連があるのか、どのような活動をしているかについて詳しく紹介します。

(この続きはこちらのnoteから)

(執筆:西川貴清、監修:千正康裕)

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編集部より:この記事は元厚生労働省、千正康裕氏(株式会社千正組代表取締役)のnote 2023年12月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。