石川県能登半島地震時のSNSで助けてください系の虚偽投稿

「善意・正義感は金になる」ですかね。

石川県能登半島地震時のX(旧ツイッター)で「助けてください」系の虚偽投稿

旧ツイッターのXで地震や津波の偽情報が拡散 冷静な対応を | NHK | 令和6年能登半島地震

1日午後4時すぎに石川県の能登地方で最大で震度7の揺れを観測した地震の直後から、Xでは被災地の様子だとする動画や倒壊した家屋に閉じ込められているとして、救助を求める声などが多く投稿されました。

実際の被害や救助要請が投稿された一方、中には実在しない住所や無関係の画像を投稿して救助を求める偽情報や東日本大震災の津波の動画を今回の地震による津波だとする偽情報の投稿が拡散していて、100万回以上閲覧されたものもありました。

また、地震の原因や石川県輪島市の火災の原因、それに北陸電力の志賀原子力発電所の状況について、根拠のない情報を広げている投稿や、被災者を装って電子マネーで募金を呼び掛けているアカウントも確認されています。

石川県能登半島地震時のX(旧ツイッター)で「助けてください」系の虚偽投稿が大量に発生しており、NHKも記事化しました。

実際の例として以下にスクリーンショットを貼ります。

実在しない「石川県川永市」住所の記載、寄付への誘導、アカウント削除…

WEB魚拓化しているものでも近隣に実在する者の名前を使用してる可能性があるものについてはリンクは貼りません。

石川県川永市」という存在しない住所の記載*1他の投稿では「試しました」などと書いていますが、韓国に居るかどうかも含めて虚偽の可能性があります。

既にアカウントが存在しない表示となってしまっている者として以下ではpaypayへの寄付を誘導しています。住所と名前が書いていましたが、他の複数投稿では「大谷町」ではなく「大谷」と書いていて詳細の記載も不自然であり、虚偽の投稿です。

「息子が挟まって動けない」などと自宅住所を晒された女性が被害を訴える

https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/1280269

能登半島地震で倒壊した建物に巻き込まれたとする交流サイト(SNS)への投稿には真偽不明な内容も含まれている。X(旧ツイッター)に自分の住所を明示されて「息子が挟まって動けない」と身に覚えのない投稿をされた石川県の40代女性は「デマとしか思えず、家の場所も分かってしまう。投稿を消してほしい」と訴えた。

さらに、北國新聞の記事では、X(旧Twitter)で自宅住所を晒されて虚偽の救助要請の投稿がされる被害を受けた女性の訴えが紹介されました。

悪意による投稿をリポスト(リツイート)で拡散してしまった人は多く、今後の教訓にしていく必要があります。

  1. 救助妨害
  2. 住所地への嫌がらせ
  3. 犯罪組織の資金源に

こうした行為に加担することの恐怖を感じない人が多いようですが、偽りの正義感でごまかそうとする者が散見されます。

目をそむけたくなる現実に直面している現地の人らが居るのだから、ネット上の我々も現実を直視するべきではないでしょうか?

ほとんどは偽の投稿:当該アカウントが本物の被害者か確認する方法と注意点

今回の「助けてください」系の投稿は、ほとんどが虚偽でした

本記事冒頭の画像のように分かりやすいものばかりではありません。

それを拡散したり地元消防等に外部の者が電話等をするのは、被災している現地組織への妨害、救助部隊の活動妨害になります。

最初から虚偽のパターンや、初出の投稿内容をコピペしてまるで自身のことかのようにふるまう投稿をするパターンなど複数あります。

その上で、本物かどうかを確かめるには、以下のような確認作業が必要です。

「画面の向こう側」の我々には、それをやる余裕があるはずです。

  1. その住所や名前での救助要請の初出か否か
  2. 記載されているのは実在の住所か
  3. 当該アカウントは実在性があるか
  4. 訴えている被害状況に真実性があるか

具体的には、X(旧Twitter)上ではuntil:2024-01-○○_○○:○○:○○_JSTと検索窓で入力することで、当該日時(日本時間=JST)での秒単位当時までの遡りが可能で、これにより初出の投稿を絞り込めます。

ただ、既に初出の投稿が削除されているケースもあるため、要注意です。*2

初出の投稿を確認した上で、実在の住所なのか、アカウントの中の人の実在性を調べます。プロフィール欄や過去投稿から、当該地域に居住・来訪しているとみられるかどうかを見ます。

「長く運営されてるから」とか「頻繁に投稿しているから」は関係ありません。

さらに、訴えている被害状況に矛盾点・不審な点がないかを吟味します。*3

では、本物だったとして、その情報の第三者による拡散は救助に繋がるのでしょうか?

以下の記事では、結局は本人からの119番や行政の窓口への電話が現実的であるということが伺えます。

大災害時の「助けて」ツイートは救助につながったか | 特集記事 | NHK政治マガジン

こうした事を考慮して初めてスタートラインに立てると言えます。

そして、そのアカウントがその後助かったのか、その後もアカウントが消されたり@以下の文字列が変わったりアイコンがすぐに変更されたりしていないか、確認してください。

以上:はてなブックマーク・ブログ・note等でご紹介頂けると嬉しいです。

*1:自治体合併によって消滅した地名でもない上に、川長・河永・河長…などの誤記の可能性も無い
*2:集合住宅等で住所地の記載が重複する可能性=個室の番号を記載する意味がない被害状況の場合も考慮
*3:下敷きになっていたが助かったのは友人の母のことである、などとしている者もいますが、混乱のために動転したからなのかどうかの判別は困難。


編集部より:この記事は、Nathan(ねーさん)氏のブログ「事実を整える」 2024年1月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「事実を整える」をご覧ください。