企業・団体献金を禁止することが「新しい資本主義」

masamasa3/iStock

岸田派が解散するらしいです。

総理の素晴らしい決断だと思いますが、さらに岸田政権に提案したいことがあります。それは企業・団体献金を禁止すべきということです。

政治献金をできる存在として、政党・政治団体・政治家個人と個人、企業・団体と様々なアクターがいます。その中で、政党・政治団体への企業・団体からの寄付です。企業や労働組合は政党や政治資金団体に寄付が行えるのですが、その部分をと言うことです。もちろん、企業・団体に政治家の後援会なども含めます。

また、企業・団体献金の抜け穴になる可能性のあるケースも廃止すべきです。それは個人献金です。中でも、政府の公共事業を受注している、補助金・助成金をもらっている会社・団体の経営者・代表、そして組織メンバーからの個人献金は廃止しても禁止すきだと思うからです。

禁止すべき理由

企業・団体献金はその額、なんと24億円。禁止すべき理由の第一は、一部の企業・業界団体の政治的な影響力が政治に反映されやすくなっているからです。言い方は悪いですが、政治への影響力を買う行為と言っても過言ではありません。政党交付金ができたため、もともと廃止されるはずでしたが、結局残ってしまいました。

理由の第二に、企業の経営にマイナス、日本経済にもマイナスの影響を与えてしまいます。企業も献金やパーティー券購入など余計な出費を求められます。一部の企業・業界団体の政治的な影響力が政治に反映されやすくなると、経済政策が歪みます。

日本で力を持った既得権益の意見が通り、産業構造が進まず、失われた30年の経済停滞、伸びない賃金の根源的な問題と言えるかもしれません。経済的な力を持った企業・団体の影響力が低下し、是正され、政策重視の経済政策になる可能性が生まれるわけです。

企業・団体献金の額

では、実態を見ていきましょう。自由民主党への政治献金を取りまとめる一般財団法人国民政治協会という政治資金団体についてみていきましょう。

【出典】総務省データをもとに筆者作成

【出典】総務省データをもとに筆者作成

このように、医師連盟、自動車の業界団体、電機関係の業界団体、鉄鋼関係の業界団体は多額の献金をしております。個別企業については四季報オンラインで明らかなように、

住友化学、トヨタ自動車、日立製作所、キヤノン、野村HD・・・・など日本の名だたる企業が名を連ねています。

圧倒的な影響力を持ちすぎ?例えば、日本医師会

例えば日本医師会。日本医師会の政治的影響力は、政治献金、人材・コネクションなど様々でありますが、やはり他と比較して突出していることは確かです。筆者はよく議員さんなどに連絡しますが、あまり相手にしてくれない議員もいます。医師会の関係者を通じて連絡したらあら不思議・・・・ってことになったら、それはそれで不公平ですよね?

いろいろ批判的に書きましたが、企業・団体の方々や政治家さんが悪いのではないのです。政治のルールやシステムが悪いのです。

企業経営者や団体代表の方の中には、立派な方もたくさんおられます。真の意味で「寄付だ」「何も期待しない」という行動をとられる方もいるでしょう。そのような「お金は出しても口は出さない」という人は、中にはいるかもしれませんが、そういった人は少数でしょう。世の中、ギブアンドテイク、何かしらの無形・有形の見返りを求めてしまうのが人間というものです。

他方、政治家さんもスポンサー企業・団体のいうことを聞かざるを得なくなることも多かったと思います。国民のための政治をやりたいのに、選挙の時に応援してくれる人たちのために配慮や関心を寄せなくてはいけない事態。それは、理想を求める政治家にとっても面白くはないことでしょう。

企業・団体献金が日本の経済政策に与えた過剰な影響力を考えると、そろそろ見直すべきだと思います。「新しい資本主義」は、企業・団体の影響力を排除することが前提になるのではないでしょうか。岸田政権に期待しましょう!

「企業・団体献金廃止」署名を行っています。ご関心の方はぜひ協力ください!

【署名サイト】企業・団体献金の廃止を~個人献金の抜け穴防止も

あなたの声がチカラになります
企業・団体献金の廃止を~個人献金の抜け穴防止も