メキシコ大統領がこの大量不法移民に絡んでいる
米国バイデン大統領にとって深刻な問題となっているメキシコからの大量不法移民について、その背後には3つの要因が隠されている。
1)メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(アムロ)大統領はメキシコ政治で80年振りに左派系の大統領として登場した。彼がこの不法移民を餌にして2つのテーマと取り組んでいるということ。
ひとつ、は中米諸国を中心に米国が積極的に投資をして、これらの国で産業化を図らせるための圧力としてこの大量の不法移民を利用している。
もうひとつは、キューバやベネズエラへの米国の制裁の緩和化。特に、キューバへの制裁への緩和化はまだ観られていない。
アムロはキューバとベネズエラの経済的再建に強い関心を示しており、キューバからは医師団を招いてメキシコで医療活動をさせているほどだ。また、ベネズエラに対しても原油が制裁で完全に輸出できない時にアムロは民間企業を使ってベネズエラの原油を輸出することに協力したこともある。
2)麻薬組織は不法移民の中に混じって麻薬を米国に密入させることに関心がある。だから彼らは資金的にもこの不法移民集団を支援している。それを容易にしているのも、メキシコで米国の麻薬取締局(DEA)の局員が減っているからだ。それを減らさせたのは、アムロだ。彼は国家の尊厳をDEAは侵害しているという理由から米国にそれを要求した。
また麻薬組織の中でも、シナロアはこれまでと同様に時にメキシコの大統領の擁護を受けている節もある。その代りに、他の麻薬組織についての情報を提供させている。
3)中米諸国での貧困と暴力からの被害から逃れるために住民は集団で移動すれば道中危険に晒される可能性が少ないと見て、この機会を利用して不法移民集団を加わる者も多くいる。
ところが、エルサルバドルはブケレ大統領の暴力組織を撲滅させる行動が功を奏して、同国からの米国への移民が減少しているという現象が起きている。逆に、南米エクアドルはギャング組織の横行で犯罪が急増。その影響もあって同国から米国に向かう移民が増えている。
メキシコ大統領は不法移民を米国国境の方に追いやっている
勿論、そうかといってアムロのメキシコ政府は彼らがメキシコに留まることは好まない。だから、必然的に彼らを米国の国境に向かわせているのである。昨年末は日毎に1万人の不法移民が国境で拘束された。
そうかといって、アムロはバイデン大統領が継続する方がメキシコにとっては与しやすいと考えている。仮にトランプ氏が大統領に復活すると強圧的な姿勢を持ち込んで来るので、アムロにとって都合が良くない。それをアムロはしっている。だから今の内に、アムロはバイデン大統領から最大限の譲歩を望んでいるのである。
メキシコでこれまで通り右派系の大統領が誕生していれば、米国の外交政治に慣例的に服従するような姿勢から、今回起きているような大量の不法移民は発生していないはずだ。