京都市長選挙の総括をダイヤモンド・オンラインに寄稿した。京都の政治というものは、日本全体の動きのリトマス試験紙だったことも多いので、その歴史を正しく理解し、今回の経緯をきちんとしたかたちで分析してた。ぜひ、お読みいただきたい。
ここではその要約と、補足を書きたいと思う。
一言でいうと、まったく馬鹿げた選挙であった。自民党は勝ったもの、菅直人政権の官房副長官だった福山哲郎と手を結んで鳩山由紀夫政権のキーマンといわれた官房副長官だった松井孝治を市長に押し上げたわけで「悪夢の民主党政権」という言葉は何だったのかという印象はまぬがれない。
松井氏も鳩山内閣について内心忸怩たるものは合ったのだろうが、選挙カーが「元官房副長官の松井です」と胸を張って連呼し、「新しい公共」という鳩山内閣の看板政策の実現を約束されては、心は穏やかではない。
また出口調査では、自民支持層のかなりが、共産系にまで流れたのもひどい話であった。
立憲は元々自分のところの議員だったのを市長にできたのだから万々歳で、とくに泉健太の地位を安定化させるかもしれない。ただ共産系への票の流出はひどい。支持層はよそに投票したのにポストだけとった印象だ。
公明は支持層の9割以上が推薦候補に投じたのだから、組織力が健在以上であることを誇示したことでは立派。浅はかな保守派が派閥解消より自公連立解消とかいっているが、そんなことをしたら、どんな結果がまっているか想像力を働かすべきだ。
維新は事前の世論調査でトップを走っていた候補を推薦しておきながら、あの程度の勇み足に対しては、もうすこし穏健な対処もあったような気もする。トカゲの尻尾切りの過度の潔さは候補者のリクルートにかかわるし、そもそももっと早くから組織と資金で援助しておいたら、あんなことにならなかったような気もする。
共産党は大善戦にみえるが、敵失だけで惨敗を免れただけだ。今回の構図で勝てなかったのでは、京都の首長選挙では勝てまい。松竹除名事件も足腰を弱めたと思う。