あなたに合った「プロ士業」を探す具体的な方法(横須賀 輝尚)

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経営者をサポートする士業と呼ばれる専門家がいます。難関資格を保有する専門家として尊敬を集める一方、同じ資格保有者でも仕事内容や方針、そして能力も当然異なります。

「士業の探し方には色々な方法があります。安心できる方法もあれば、逆にプロ士業と出会える確率が低く、おすすめできない方法もありますので、注意が必要です。」

そう語るのは士業向けの経営コンサルタントで自身も士業(特定行政書士)である横須賀輝尚氏。同氏の著書『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』から、プロ士業の見抜き方を再構成してお届けします。

具体的に「プロ士業」をどう探すか?

最近では士業にも「紹介会社」があります。あなたも税理士や社労士の紹介会社を検索で見つけたことがあるのではないでしょうか。

これからお伝えすることは、私が言ったことではなく、業界全体の認識だとお考えください。結論からいうと、まず紹介会社にはプロ士業はほとんど存在していないのです。

理由は簡単で、まずは紹介サービスなので、税理士等の所属士業は、案件の紹介があった場合に紹介会社に紹介料を支払います。これがピンきりなのですが、例えば、1件あたり数十万円の紹介料だったり、あるいは年間顧問料の50%。中には3年も4年も紹介料が発生し続けるケースもあり、要は所属士業のモチベーションは決して高いとは言えず、あまりお勧めできる検索方法ではありません(あくまで業界全体の認識ですよ)。

加えて、紹介会社を通じて選ぶとなると、相見積もりになります。そうすれば、提示顧問料なども低く設定せざるを得ない状況で、結果としてやはりモチベーションは下がります。別の捉え方をすれば、依頼するのは代行業務だけで、徹底的にコストを押さえたいという場合には、紹介会社を通じて探すのはアリですが、低コストは事故のもとなので、やはりあまりお勧めできません(業界全体の認識です)。

ちなみに、弁護士と司法書士は紹介料そのものが法律で禁じられています。中には「コンサルティング料」などというよくわからない名目でもらおうとする輩もいると風の噂で聞きますが、弁護士、司法書士は紹介料、ダメ、絶対です。

もちろん、違法行為をする士業なんてプロではないですから、そういう話を持ってくる士業には依頼すべきではない。だって、法律を超えてまで自分の利益が欲しい人たちでしょ?そんな人たちが、あなたが大変なときに、自分のリスクを超えてまで助けてくれるとは思えないですからね。

基本的には紹介。ついでウェブ検索。

そうなると、具体的な検索方法としては、誰かからの紹介か、ネット検索ということになります。優先順位としては、紹介が有効な方法でしょう。ネット検索のコツみたいなものは後述しますが、まずは紹介で「誰か」の責任のもと、紹介してもらうのが最優先検索方法です。

そして、そのとき「どんな強み」で紹介されるかでも、プロ士業の見極めが可能になります。

「行政書士のだれそれ」では普通。「資金調達に異常に強い行政書士のだれそれ」これはプロ士業です。資格ともうひとつ強みをセットで紹介されると、プロ士業である可能性が高いといえます。

ただし、紹介で士業を探すことには反対意見もあります。そもそも紹介は、そんな法律はないのですが、仁義的に「紹介責任」というものが存在します。ですから、下手な人を紹介されないというメリットもあるのですが、反対に「紹介してもらった以上、依頼しなければならない」という仁義的な流れがうっすら存在します(そんな決まりはないんですけどね)。

特に、税理士との顧問契約などは一度契約してしまうと、人間関係が構築され、契約解除しにくくなるのが人の常ですが、そのあたりは最初の契約段階で回避できますので、先に依頼の始め方を説明しておきましょう。

ウェブ検索での見つけ方。

いまや士業もインターネットマーケティング全盛。私が開業した2003年頃は、それこそホームページを持っている士業の方が少ないくらいでしたが、いまや多くの士業が営業のためにホームページを持っています。ウェブ検索するとわんさか出てきますので、人づてで紹介してもらえない場合は、ウェブ検索が探し方の選択肢になります。

これも、ホームページがないからダメ、ということもなく、超実力派プロ士業はホームページを持っていなかったりしますが、そういう人をネットから探すことは不可能なので、検索できるサイトの見極め方について、解説していきたいと思います。

基本的に、見るべきところは「所長のプロフィール及び実績」です。コスト重視の場合は、価格を見れば十分ですが、あなたの会社を伸ばすためのプロ士業かどうかを見極めるには、まずはどんな士業なのかを判断する必要があります。

目安となるのは、業歴の長さ、表示されていれば実務の実績数。士業としての仕事振りはこのあたりがひとつの目安になります。ある程度あなたが安心するような実績値があれば、あとは問い合わせてみるしかありません。そのレスポンスを見て、依頼に値する士業がどうか、見極めましょう。

ほかに目安となる情報としては、SNSがあります。気になる士業がいたら、実名検索をしてみましょう。多くの士業がいまはTwitter、Facebook、Instagram、YouTubeなどを活用していますので、そこでさらに人となりも見えるでしょう。

これも、実力と比例しないので、あくまで目安なのですが、そこでの発言や記事がネガティブなものが多ければ、やはりそういう人。人物としての判断基準になります。あとは更新頻度ですね。毎日更新しているような人はマメな人なわけですし、まったく更新していない人はズボラなのかもしれません。やはりこのあたりも、実力との相関関係が絶対的にあるわけではないので、あくまで目安です。

ただ、ひとつウェブ検索で士業の「経営者」としての実力を見極める方法があります。それは、リスティング広告を出しているかどうか、です。検索エンジンで「税理士 新宿区」などで検索すると、検索結果とともに広告が表示されます。広告を出しているということは、マーケティングや売上増、つまり経営に積極的な士業であると認識して良いでしょう。

経営を知っているということは、法律実務以上の相談ができる可能性もありますので、これはひとつの選択基準になります(ただ、これは書いていいのかわかりませんが、そういったマーケティングをすべて外注している場合もあるので、理解した上で時間との兼ね合いから委託しているのか、それとも何もわからないから外注しているのかは、話を聞いた上でよく見極めてください)。

横須賀 輝尚 パワーコンテンツジャパン(株)代表取締役 WORKtheMAGICON行政書士法人代表 特定行政書士
1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ1,700人以上が参加。著書に『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、『士業を極める技術』(日本能率協会マネジメントセンター)、他多数。
会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業 | 横須賀輝尚 https://www.amazon.co.jp/dp/B08P53H1C9
公式サイト https://yokosukateruhisa.com/

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編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2023年2月21日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。