世界を見渡して見ても、コロナワクチンを7回も接種しているのは日本だけである。7回目接種は、2023年9月末から開始されたが、2024年2月末までに1,700万人が接種を受けている。この間のコロナ感染者数の推移を示すが、累積のコロナ感染者数は、740万人に達する。(図1)
昨年5月にコロナ感染が5類へ移行してから、メデイアは海外の感染状況を、ほとんど報道しなくなった。
日本は、7回目のワクチン接種後、JN.1株による10波に見舞われたが、海外の感染状況はどうであろうか。Worldometerのサイトから、各国における最近の感染状況を知ることができる。
図2には日本が7回目ワクチン接種を開始した9月以降における米国、ドイツ、英国、タイ、オーストラリアの感染状況を示す。日本以外の国では、2023年になってからは、ワクチンの追加接種はほとんど行われていない。日本のみ、新たに出現したJN.1株の流行に見舞われている。
これまで、わが国では、コロナワクチンの接種を開始すると、必ず、コロナの流行が続いて起きている。6回目接種は、2023年5月20日から始まったが、9波のピークが3ヶ月後に観察された。今回も例外ではない。7回目接種の開始から4ヶ月後の2024年1月末に10波のピークが訪れた。9波による死亡数のピークは、8月の2864人であり、8波のピーク時の死亡数と比較して3分の1であった。10波による死亡数は、まだわからない。(図3)
2020年3月以降に、わが国を襲ったコロナの流行は10波を数える(表1)。2020年に経験した従来株による流行は、その後に経験した流行と比較すると”さざ波“に例えられるレベルである。ワクチン接種を繰り返したにもかかわらず、回を追うごとに感染者、死亡数は増加し、7波、8波では、感染者数は1,000万人、死亡数も1万人を超えている。
コロナワクチンに感染予防効果がないことは明白である。日本では、コロナワクチンは感染を防ぐことはできないが、重症化予防効果に意味があるとして追加接種がおこなわれてきた。従来株やアルファ株では、2〜5%あった致死率が、オミクロン株の出現により季節性インフルエンザ並みの0.1%まで下がったことを、ワクチンの効果と主張する意見もある。
英国のデータでは、オミクロン株の出現を契機に、ワクチン接種群も未接種群も、コロナ感染による致死率は激減している。
日本で見られた致死率の低下も、ワクチンの効果ではなく、毒性の低いオミクロン株の出現によると思われる。
5類への移行後は、メデイアがコロナの話題を取り上げることはめっきり減り、コロナ感染は終息したような感がある。しかし、9波の感染規模は、これまで最大の死亡数を数えた8波に匹敵する。10波においても、その規模は6波に等しい。
わが国では、ワクチン接種を開始すると、必ず続いてコロナの流行波に見舞われている。世界の大勢は、ワクチン接種を中止しており、コロナの流行も見られていない。わが国では、今後、コロナワクチンを定期接種に導入することが予定されているが、世界の大勢とは外れた道を選択する理由を、厚労省は説明すべきである。