グレートバリアリーフに気候危機など起きていない

杉山 大志

Niklas Flindt/iStock

オーストラリア環境財団(AEF)は、”グレートバリアリーフの現状レポート2024(State of the Great Barrier Reef 2024 )”を発表した(報告書プレスリリース)。

ピーター・リッド会長は、サンゴ礁の面積は記録的な高水準で、素晴らしい状態にあることをこの報告書は示している、と述べた。

「地球温暖化によって白化が起きて大災害になる」という言説にもかかわらず、過去10年間にわたり、白化の影響を最も受けやすい種(板状サンゴとクワガタサンゴ)は、その数を爆発的に増やしてきた。嘆かわしいことに、白化の影響は、メディアや一部の科学団体によって日常的に誇張されている。

リーフにおける養殖場汚染の影響はごくわずかで、3,000のサンゴ礁すべてが素晴らしいサンゴを保っている。現代において、これほど変化が少ないオーストラリアの生態系は他にない。

図 グレートバリアリーフにおけるサンゴ礁の被覆度。
2023年は前年に続いて歴史的高水準にある。