時間革命?グローバルリーダーから学ぶ効率的な生き方

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著者は、国内外10カ国で約20年にわたり、外資系の戦略コンサルタント、多国籍企業のマーケティング、新規事業の立ち上げなど、多彩なキャリアを経てきました。エグゼクティブコーチとして独立後、「仕事のスピード」に悩む日本のクライアントが多いことに気づきます。

結果を出してサクッと帰る神速時短」(ヴィランティ牧野祝子著)すばる舎

なぜ先延ばしをしてしまうのか

夏休みの最後の1日ではなく最初の1日で片付けてしまえばいいと思いませんか。それはできないのです。限界状況に追い込まれた人間が、実力以上の力を発揮することは、昔から知られていますが、それはなぜでしょうか。

人間は、追い込まれたときに、最高のパフォーマンスを発揮できるように設計されているのです。ピンチに陥ったときには、ノルアドレナリンが分泌されます。正しい判断を瞬時に下せるように、脳が集中力を一気に高めていると考えられます。ノルアドレナリンが分泌されると危機回避や緊急事態対応が可能になるのです。

たとえば、オフィスが火事になったとします。アナタは資料の作成中です。このときに、「資料を作成してから避難する」人はいないと思います。資料をかかえて階段を駆け下りていくことでしょう、ノルアドレナリンによって危機回避や緊急事態対応が可能になるのです。

仕事をしていても成果が上がらないと努力そのものがバカらしくなるものです。努力をしても何も変わらない。そうなると、他のものに関心が移ってきます。パフォーマンスはドンドン下がっていきます。

ヤバイ!ようやく気が付けばまだレールに戻ることはできます。気付きがあれば、新たな学びを吸収することが可能です。これは、誰もが陥る仕事のワナですが、それを経験しないと根本から変えることはできません。いかにも日本的ですが、仕事術や時間術は、最初からわかっていたほうが間違いなく得策ともいえるのです。

グローバルリーダーの仕事ぶり

牧野さんに時間の使い方に革命をもたらしてくれたのは、グローバル企業のリーダーの仕事ぶりだったと言います。そもそも彼らは、プライベートを犠牲にしてまで、仕事に打ち込んでいる様子はありませんでした。

「長期の休みをとったり、午後には男性でも子どものお迎えに行ったりして、自分の時間、家族の時間を存分に楽しんでいました。にもかかわらず、仕事では圧倒的な成果を出していました。 実際、そうした上司、部下、同僚たちやMBAスクールの友人たちはどんどんステップアップし、プロフェッショナルとして活躍しています」(牧野さん)

「日本のビジネスパーソンの友人たちは役職にかかわらず、多くが有給も消化できないほど休みが少なく、かつての私のようにプライベートに時間を費やす余裕がない。また最近では変わってきましたが、子育てや家事などに参加しない男性も多いようです。そのしわ寄せは当然、パートナーに向かいます。総じて人生を楽しめている人が少ないように見えました」(同)

国連が発表している「世界幸福度ランキング」では、G7のなかで最下位、自殺死亡率は1位、有給消化率も約60%と最低水準となっています。実質経済の伸びは最下位。時間あたりの労働生産性を見ても、OECD加盟国の中で下位に沈んでいます。仕事漬けにもかかわらず成果が伴わないのは何故でしょうか。

牧野さんは、世界のビジネスパーソンの働きぶりを分析し、知らず知らずのうちに、特殊な「サイクル」を回していることに着目します。これらを体系立てて、最強の時短術としてまとめたのが本書です。新しい時間術を知りたい方には参考になる一冊でしょう。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

2年振りに22冊目の本を出版しました。

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