言葉が創る世界!ネガティブを排除しポジティブな自己実現へ

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「失敗してもすぐに立ち直れるようになった」「人間関係がラクになった」

元アナウンサーが「脳の仕組み」を活用し好循環になれる方法を明かします。

ストレスフリーの人がやっている ポジティブ・フレーズ言いかえ事典」(片山三喜子 著)大和出版

ポジティブがすべてを凌駕する

1日の予定や仕事が終わり、家に帰ってホッとしたときに、どんな言葉が出るでしょうか。「あー疲れた」とソファに座ってしまう人もいるかもしれません。じつはこの「疲れた」もマイナス言葉なのだと片山さんは言います。

「試しに『疲れた。 疲れた』と10回言ってみてください。なんだか体中が重くなって疲れがどんどん出てくるように感じませんか。『疲れた。 疲れた』と言っていると、その言葉を聞いているもどんよりとした空気になってきます。周りにも疲れを撒き散らしている状態です。 『疲れた』が出てきてしまう方は気をつけましょう」(片山さん)

「『疲れた』というマイナス言葉から、プラスの言葉に言いかえるようにします。最初は、自分でしっくりくる言葉を探してみましょう。たとえば、『やった〜』『やり切った』などのプラスの言葉はどうでしょうか。プラスの言葉とともに、『よっしゃー』のように、胸を張って両手を上に突き上げて、顔も上を向いて言うと、より達成感が増しスッキリします」(同)

さらに、口角を上げて言うと、疲れていても疲れが吹き飛ぶでしょう。日本では仕事が終わったときに、「お疲れさま」と言うことが多いですが、笑顔で「お疲れさまでした」と伝えるようにすれば周囲の雰囲気は一気に変わります。笑顔がプラスの感情を添えてくれます。自分にしっくりくるプラス言葉を探してみることが大切です。

ネガティブを排除すべき理由

ポジティブの反対がネガティブです。ネガティブな感情にはいくつかありますが、とくに問題となっているのが、「妬み」や「不満」といった感情です。

組織は競争の場でもあるので、ネガティブな感情が湧きやすい特徴があります。ネガティブな感情をコントロールできないと、マイナス傾向があることを覚えておかなくてはいけません。

「妬み」の感情というものがあります。自分にないものを他人が持っているとき、または取り残されてしまうときに人は「妬み」を感じることがあります。

皆さんは次のような経験はありませんか?

一流大卒でイケメンの木村さんが入社してきました。女性社員は羨望のまなざしですが、男性社員は面白くありません。「あいつ、ちょっと調子にのってないか?」など、同調を求める人が増えてきます。ところが、同調する人も「妬む人」ですから、人間関係は悪化していきます。

「妬む感情」が増えると、人の不幸を強く願うようになっていきます。不幸が降りかかるように、失敗するように願うのです。しかし、「妬み」を抱いたところで状況が改善することはありません。嫉妬心を増長させることにメリットなどありません。

ネガティブを鍛えていませんか

仕事帰りの居酒屋は、上司や会社の「陰口大会」のオンパレードです。「陰口」は百害あって一利なしです。陰口とは、「悪い点」「欠点」「短所」「気に入らない箇所」などを必死になって探し出すことです。ネガティブ力を鍛えてもまったく意味がありません。

わかりやすいケースに置き換えてみます。Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏、投資家のウォーレン・バフェット氏らは世界有数の大富豪ですが、彼らを妬む人は少ないと思います。自分からかけ離れた存在だと「妬み」の感情はわきません。

ところが、身近な存在に対してスイッチが入ります。例として社内人事などがあげられるでしょう。人事が発表されると文句を言う人がいるものです。特に昇進・昇格は「妬み」の対象になります。「無能なゴマすり野郎のくせに!」など、とどまることを知りません。

「妬む感情」が進行すると、次第に「快楽」へと変化し、「幸福感」を感じるようになります。美味しいものを食べると「満足感」を得るのと同じ仕組みです。ところが、より強い「満足感」を得るように、刺激の強いものを求めることから「量」が増えていきます。

「妬み」は、誰にでも起こりうる感情です。しかし、コントロールできないと、人間関係に悪影響を及ぼします。「妬み」によって、他人を攻撃したり、自分を傷つけたりしてしまうこともあるからです。この連鎖の仕組みを理解しない限り、行動を改めることはできません。この機会に、「妬み」や「陰口」は好ましくないものだと理解しておきたいものです。

本書には、今回紹介したような思考術に関するエッセンスがわかりやすく解説されています。日常における感情のあり方の大切さが理解できることでしょう。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

2年振りに22冊目の本を出版しました。

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