日本の年金システムの真実:あなたは本当に理解していますか?

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みなさんが毎月支払っている年金はどこに消えてしまっているのでしょうか?

今日は年金の仕組みを、簡単に説明します。

みなさんの年金のイメージは図の左側だとおもいます。支払った年金保険料が積立されており、40年後、自分が高齢者になったときに、支払われる。積立金方式です。

年金定期便には、支払った金額の総額が書かれており、それだけのお金がどこかに積立てられていると思っているとおもいます。

しかし現実には、積立金は存在しません。

皆さんの支払った年金保険料は、その年の年金支給にそのまま消えてしまいます。ダイレクトに高齢者の年金支給を、皆さんの保険料で賄っているのです。

この方式を賦課(ふか)方式といいます(図の右側)。

たとえば、現在の年金総支給額は高齢化のおかげで60兆円になっています。現役世代の数が7千万人ですから、みんなでこれを割り勘したら、一人あたり85万円を保険料として強制徴収し、そのまま老人に年金として渡せばよいです。

つまり、年金保険料とは、将来もらえる額にあわせて決めているわけではなく、単に支給額を、現役世代の人数で割り勘しただけ。

年金定期便に書かれているみなさんが過去に支払った保険料の総額とは、なんら意味のない数字なのです。

もちろんこれは、ネズミ講、ポンジスキームです。国が無理やり徴収できるものだから辛うじてなりたっているだけの詐欺です。

高齢者の数が増え過ぎたり、現役世代が減り過ぎたら破綻しますが、まさに今、破綻しかかっています。

えっ!でも、GPIFという年金積立があって巨額の利益を上げているってきいているけど(ドヤ)?

はい。200兆円の年金積立は存在して運用されています。でもこれ、巧妙なイメージ操作。毎年60兆円も年金にかかりますから、200兆円といえども3年2ヶ月分でしかありません。現役世代からの徴収をやめたら3年しか持たないのです。

図のイメージでいうとプールにはお金は確かに入っていますが、40年分ではなく3年分だけなのです。さすがに余裕がゼロだとこまるので、3年分くらいの運転資金はありますよ、というだけで、ぜんぜんドヤるものではございません。どうみても自転車操業です。

ということで。

  • 日本の年金は積立だと思っている人
  • ねんきん定期便の額が将来の支給額だと思っている人
  • GPIFが巨額の運用益をだしているので大丈夫だと思っている人

こういう人は認識をあらたにしてください。

そして、このほとんど詐欺のようなシステムの実態を多くの人に伝えてください。

このままでは現役世代が搾り取られて、年金を受け取るまえに死んでしまいます。


 

(編集部より)この記事は、サトウヒロシ🐰@satobtcのポストを、許可を得た上で転載いたしました。