知らない方が幸せになれる「不要な情報」

akova/iStock

黒坂岳央です。

ネットメディアの発達により、世界中の情報が瞬時に駆け巡る時代となった。上手にビジネスや教育に活用することで、意欲や好奇心さえあれば無料、もしくは無料に近い価格で自分自身を青天井に高めることができる素晴らしい時代である。

その一方で、「知らない方が良いこと」ばかりを偏重的に情報収集することで、いたずらに不幸感や不安感を覚える人も大変多くなってしまった。その不安を解消するとうたう詐欺も数え切れないほど増えている。

人間はネガティブに非常に強く反応してしまう機能性を有しているため、なんとなくネットを渡り歩くと精神衛生上よくない情報が増える。知らない方が幸せになれる情報には何があるのだろうか?

他者の情報

世の中、どんな世界にも上には上がいる。よしんば、現時点で世界一の記録を持つ人でも後世世代にほぼ確実に追い抜かれてしまう。だから他者と競うばかりの世界に身を置くといつか無理が来て敗北感を味わうことになるだろう。

人間は学生時代は学業で、社会人になると勤務先や収入。経営者やフリーランスは売上、投資家は金融資産額、インフルエンサーはフォロワー数でその価値を判断されてしまいがちだ。

自分自身、昔は「日本人の平均年収や貯金額」といった指標を熱心に見て、一喜一憂する時期があった。だが、くだらないと気づき、以降はこうした平均値や競合するライバルの活躍などは一切シャットアウトするようになった。

こんな指標は自分の人生に百害あって一利なし、ムダに自信を喪失させるか、下手に慢心を生み出す以外一切の価値をもたらさない。だから仕事をする上で統計データとして参照する時以外、他人情報は一切見ないし考えない。

重要なのは過去の自分に負けないことだけだ。自分の人生を高めることだけに集中すれば、少なくとも精神衛生上は不幸になることはない。

ネガティブニュース

過去記事でも何度か書いたが、マスメディアの情報のほとんどは知っても不幸になるものが大半である。芸能人の不倫、他国の情勢、悲惨な事故などを知っても自分の価値を高めることに一切寄与しない。胸糞悪く、いたずらに不安を増大させるだけである。アクセス数を稼ぐためとはいえ、人々の心理的に害悪でしかないと思っている。

ファクトフルネスという有名な本に「世界はドンドン平和に、そして豊かになっている」というデータが示されている。メディアの発達で世界は混沌に、ディストピアに近づく印象があるが現実と実感は別物である。

自分自身、こうした記事を書く時には参照元の情報がネガティブでも、できるだけ改善提案や新たな気付きを付加価値として提供するように心がけている(できていない記事もあるかもしれない。できるだけ気を付けたい)。

未体験領域の総論

人生で経験したことがない領域に挑戦する時はいつもワクワクする。海外旅行でも仕事でも、昔は情報が今ほど可視化されていなかったので「どんな世界が広がっているのだろう」という好奇心、探究心が自分を連れて行ってくれる感覚があった。

だが今は違う。あらゆる情報がテキスト、画像、動画などの媒体で余すこと無く可視化されてしまっている。それを見ること自体は問題ないが、良くないのは「経験者の総論」を挑戦する前に聞いてしまうことである。こういうものを聞いて信じてしまうと、行動力を奪い取ってしまう。

「起業して経営者になってもしんどいだけ」
「この仕事は収入は高いが、将来性がない」
「この国への旅行は表面だけきれいだがとてもつまらない」

特にこういったネガティブな総論である。「そうなのか、ではやめておこう」と敬遠してしまえば、自分はまったく逆の感覚になる可能性があるのに、それをやる前に捨ててしまうことになる。

「英語なんて今どきできる人はいくらでもいる」と聞いていたが、英語関連の仕事をしているし、「起業は危険」と聞いていたが、自分にとって素晴らしい手段と感じる。「よくないよ」と聞いていた旅行先で大変楽しい経験も数多くあった(その逆もあった)。

総論を出す人を止めることはできないし、自分もそうした情報を出す立場ではある。だから調べないようにするしかない。世の中にはやる前から調べれば完全な答えにたどり着けることと、やらないと分からないことの2種類がある。後者の典型的なものは自分の適性である。楽しいと感じるか?向いているかどうか?これはやらないと絶対にわからないので、他者の総論をやる前に見るべきではないのだ。

人生は長い長い旅のようなものだ。知らない方が幸せなことは世の中にたくさんある。知って不幸になる情報は意識的に遮断し、長い旅を自分の足で踏み出して楽しむことが重要ではないだろうか。

 

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