「15時からはじまる会議に忘れずに参加しなければ」。たとえこうした小さな用事でも、覚えておくことに頭を使ってはいけない。その時点で、目の前の仕事に100%集中することは難しくなる。そう語るのは時短コンサルタントの滝川徹氏。
今回は、滝川氏の著書『細分化して片付ける30分仕事術(パンローリング) 』より、記憶の容量を解放し、目の前の仕事に集中できるようになるリマインダーの活用法の解説を、再構成してお届けします。
シンプルだけど絶大な効果をもたらす「リマインダー」を活用しよう
タスク管理の原理原則は、頭でタスクを覚えておかないこと。それを踏まえたうえで、応用としてリマインダーの活用について話をしておこう。
「リマインダー」は予定の10分前などに通知してくれる機能、つまり何かを思い出させてくれる機能と考えたらいいだろう。
たとえば15時から会議があった場合、皆さんなら何時から準備しはじめるだろうか。以前の私は余裕をもって会議にのぞむため、14時30分くらいから準備や移動するのが習慣になっていた。
当日はほかのタスクをしていても頭のどこかで「14時30分になったら・・」と時間を意識をしていたため、目の前の作業に集中しきれずにいた。タスクに没頭して会議自体をすっぽかしてしまうかもしれないという不安を抱えていたのだ。
しかしリマインダーを活用するようになり、こうした不安から解放されるようになった。今の私はスマホの機能を使ってリマインダーを14時30分にセットする。
アラームと同じで時間になると通知がくるので、それまで会議のことを覚えておく必要がなくなる。そのおかげで目の前のタスクに100%集中できるようになった。タスクに全集中して取り組めれば成果も上がる。夢中になっていても通知が来たら頭も行動も切り替えられるので不安も一切ない。
リマインダーの活用は、仕事はもちろん日常生活も楽にしてくれるのでオススメだ。たとえば会社帰りに牛乳を買うように頼まれた場合。
連絡が来たときは、スーパーに寄るつもりで帰路に就く。だが電車の中で本を読んだりスマホを見ていて、気がつくと家に到着なんてことはないだろうか。しかもせっかくコンビニに寄ったのに、牛乳以外のものを買って帰ったなんてことになったら……。
そこで家の最寄駅に着く時間にリマインダーをセットしておく。そうすれば駅に着いた段階で通知がくるので、無事にスーパーに寄って買い忘れを防ぐことができる。
外出するときにハンカチを用意する、朝イチで同僚にお礼を言う、家に帰ったら連休のチケットを予約する。少し先の未来だからこそ忘れやすい、そういった小さなことも予定時刻に通知がくるようにリマインダーをセットしておく。
そうすれば覚えておく必要も、忘れて焦ることもない。やってみるとわかるが、この開放感は絶大だ。
スマートフォンを使っていれば、設定方法も簡単だ。iPhoneならリマインダーというアプリが標準セットされている。Androidでもカレンダー機能にリマインダーがある。ちなみに私は「たすくま」というiPhoneアプリを使用している。
リマインダーはシンプルだが絶大な効果を得られる。仕事だけでなく、日常のちょっとしたことでも是非使ってみてほしい。
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滝川 徹(タスク管理の専門家)
1982年東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけに独学でタスク管理を習得。2014年に自身が所属する組織の残業を削減した取り組みが全国で表彰される。2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。その体験を出版した『気持ちが楽になる働き方 33歳大企業サラリーマン、長時間労働をやめる。』(金風舎)はAmazon1位2部門を獲得。2018年に順天堂大学で講演を行うなど、現在は講演やセミナー活動を中心に個人事業主としても活動している。
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編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2024年4月16日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。