苫小牧名物「ほっきカレー」の人気店は商売っ気が無かった

北海道ツアーの最終日は札幌から苫小牧まで遠征して、名物のほっきカレーを食べに行きました。カレーの中に大量のホッキ貝が入っており、貝の旨味がたっぷり味わえます。

一番有名なマルトマ食堂は平日だというのに、40人近くが行列する大人気(写真)。並んで待ってはみたものの、列が進む気配はなく1時間以上かかりそうでした。

すると、近くに同じ経営母体の姉妹店マルニ食堂というのを発見。こちらはテイクアウト専門ですが、2階に飲食コーナーがあり買ったものを食べられます。まったく同じほっきカレーを早くたべられそうだったのて、こちらに変更しました。

ところが困った事にテイクアウト専門店なので、注文できるのは海産物だけで飲み物は売っていません。

仕方ないので、歩いて5分ほどのコンビニまで歩いて行って、スパークリングワインやソフトドリンク、プラスティックのコップまで買ってきました。

テイクアウトのお料理は注文を受けてから丁寧に作ってくれます。会計も手計算でのんびりやっており、とにかく時間がかかります。

コンビニで買い物して戻ってきても、まだ会計すら終わっていませんでした。素人目にも段取りをもう少し上手にすれば、もっとたくさんのお客さんを捌いて、売上アップできそうなのにと思う位でした。

また、2階の飲食スペースは椅子とテーブルが置いてあるだけの簡素なものでした。もし冷蔵庫を入れて、ビールやソフトドリンクを揃えれば注文する人がいて、更に売上が上がるはずです。

人手がかかるというなら、お客さんにセルフでやってもらい、支払いは申告制でも問題なさそうです。

仕事を怠けているのでは無く、スタッフはみんな一緒懸命働いている。ただ効率が悪くて商売っ気が無く、ビジネスチャンスを逃しているのが何とももどかしく感じます。

苫小牧のこちらのお店に限らず日本人の商売は儲けようというガツガツした野心より、良いものを届けたいという職人気質が強いように感じます。

昔からのやり方を愚直に続ける職人気質の仕事は素晴らしいものですが、収益が伴わなければ人手の確保もできなくなり、いずれ事業として成り立たなくなる可能性が高まります。

せっかくのほっきカレーで人気のお店が、そんな風になる前に次の一手を打って欲しい。甘くてスパイシーなほっきカレーを食べながら、そんなことを思いました。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年5月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。