政府は、パートタイム労働者の厚生年金加入条件である企業規模の制限を撤廃する方針を固めました。これにより、加入者を増やし、低年金問題に対処します。現行の条件では「従業員101人以上」(10月から51人以上)の企業が対象ですが、撤廃により新たに130万人が適用される見込みです。この方針は6月の「骨太の方針」に盛り込まれる予定です。
厚生年金の適用拡大へ 非正規の低年金問題に対応、企業規模条件撤廃 https://t.co/axZ1H9V3Z2
パートで働く人ら短時間労働者の厚生年金の加入をめぐり、政府は現在「従業員101人以上」(10月から51人以上)としている企業規模の条件について撤廃する方針を固めた。
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) May 28, 2024
企業側の保険料負担増加が課題ですが、人手不足のため抵抗感は弱まっています。今後は個人事業主などにも保険適用拡大や、年収の壁や第3号被保険者の扱いも検討されます。
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非正規労働者の低年金問題に対応ということですが、もちろん善意からではないようです。
実質的な増税となります。
日本人は「厚生年金の搾取」から逃れられなくなってしまうのでしょうか。
個人事業所でも、従業員5人以上の場合、製造業や弁護士など17業種に限って厚生年金加入を義務づけているが、この業種要件も撤廃する方向。農業や理美容業界などにも対象が拡大される。もはや日本人のほとんどが「厚生年金の搾取」から逃れられなくなります。
— 橘 玲 (@ak_tch) May 29, 2024
中小企業の「社会保険料倒産」はすでに問題になってきています。
手厚い厚生年金に加入すれば非正規労働者の年金受給額が増えるといわれますが、そのためには雇用主がそれ以上の年金保険料を負担しなければなりません。これを強制すると、中小企業などは「社会保険料倒産」するところが大量に出るでしょう。保険料を徴収する社会保険事務所の仕事も膨大になります。
— 橘 玲 (@ak_tch) May 29, 2024
人手不足なのに企業のほうから20時間以内におさめてくれと言われたり、結局しわ寄せは現場の労働者に集中します。
ここ数年の主婦層の短時間パートについてですが、職場がシフトを週2日か3日しかいれてくれないそうで、ダブルワークする方が多いんです。
就業時間が週20時間以下になるようにしておけば企業が得なのかな?と思いながら、そういった方のお話を聞いてます。— Kitty (@Dh3HBvVYBwS1zO0) May 29, 2024
国民年金の財政を厚生年金で穴埋めするのはやめてほしいものです。
国民年金の財政がボロボロだから、パートやアルバイトまで厚生年金に強制加入させ、基礎年金と称する「支援金」を増やそうとしている。
ほとんどの人が気づいていないが、国民年金の被保険者は1.3兆円しか保険料を払っていないのに、サラリーマンが18.7兆円も拠出して国民年金の赤字を埋めている。 https://t.co/Yzb7HqHqHX pic.twitter.com/Ha9Es89LuA— 池田信夫 (@ikedanob) March 13, 2024
負担している感覚がないせいか年金保険料の半分である会社負担分の議論はいまいち盛り上がりません。
厚生年金の加入者を増やすというのなら、年金保険料の半分(会社負担分)が消えているという問題に真剣に向き合う必要があるでしょう。「厚生年金加入は不利」と思われれば、制度の縮小などできるわけがありません。https://t.co/zfLfKR4ds9
— 橘 玲 (@ak_tch) May 14, 2024
大企業の労働者とそれ以外の労働者が対立しているのが日本の労使関係の特徴かもしれません。ここでも日本的な雇用問題が問題の根っこにあるようです。
審議会に出てる労働側代表が連合なのでさくさく進みますね。「大企業のサラリーマン以外からも取ろうぜ」みたいなノリ。:厚生年金 パート適用拡大 企業の規模要件撤廃へ – 日本経済新聞 https://t.co/2EGOVWTBsU
— jo shigeyuki (@joshigeyuki) May 31, 2023