米国のバイデン大統領が発表したガザ戦争の停戦案に反発したネタニヤフ政権閣僚が同政権を「崩壊させる」と警告しています。
Israel’s far-right National Security Minister Itamar Ben-Gvir renews his threats to dismantle the government if Prime Minister Benjamin Netanyahu agrees to a Gaza cease-fire proposal laid out by US President Joe Biden https://t.co/p2Eq4XWys1 pic.twitter.com/1UedYw6COR
— Anadolu English (@anadoluagency) June 3, 2024
与党・リクードと連立を組むイスラエル極右政党・ユダヤの力(オツマ・イェフディート)党首のイタマール・ベン・グヴィル国家安全保障大臣は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相がジョー・バイデン米大統領が提示したガザ停戦提案に同意した場合、政府を解体するという脅しをかけてきました。
5月31日にバイデン大統領は「イスラエルの提案」として3段階の停戦案を発表していました。
5月31日にバイデン大統領が発表した「イスラエルによる提案」(イスラエルが受け入れたのか不明)は、要するに「人質全員返して恒久停戦、イスラエル軍のガザ撤退」というイスラエルが拒否してきたもの。
イスラエル、3段階の停戦案を提示 実現にはハードル – 日本経済新聞 https://t.co/bUEwLpl39W— Satoshi Ikeuchi 池内恵 (@chutoislam) June 2, 2024
しかし、ネタニヤフ政権は米国と「認識にへだたり」があるとして、停戦案がイスラエルの提案に基づいているとするバイデン大統領の見解を否定しています。
停戦案「米と認識隔たり」 ネタニヤフ氏、極右に配慮:東京新聞 TOKYO Web https://t.co/rWEE6LoHbf
— 東京デンシバン!(超人) (@tokyo_denshiban) June 4, 2024
イスラエル政府は停戦案の合意へ前向きであるという報道もありましたが、それはハマスが反対することを見越した動きであった可能性が高いです。
バイデン大統領発表のガザ地区停戦案 イスラエル側“枠組み受け入れる構え”報道https://t.co/L0xOGVHPua
— 日テレNEWS NNN (@news24ntv) June 3, 2024
早くも停戦案に消極的な姿勢を見せるイスラエル。ネタニヤフ氏は最後まで政権存続にこだわり続けるのか。
地元記者は「ネタニヤフ氏は米国が主導する停戦案をハマスが断って欲しいと思っているはず。そうすれば、全てハマスの責任にできる」と解説する。https://t.co/oyy7Da4Fe7— 三木幸治 / Koji MIKI 「迷える東欧 ウクライナの民が向かった国々」発売中 (@KojiMIKI5) June 3, 2024
ネタニヤフ政権は極右政党との連立により辛うじて与党の地位を保っています。そのため、ハマスとの妥協を許さない極右閣僚に配慮せざるを得ない状況に追い込まれています。
仮にネタニヤフ政権は崩壊したとしても、その後誕生する「穏健中道派」政権もハマスとの戦闘を継続させることが予測されます。ネタニヤフ政権は不人気ですが、ハマスとの戦闘は国民的支持を得ています。
日本のメディア番組でネタニヤフを引きずりおろせば人道的な状況は良くなるというコメントを聞きましたが、ガンツになったらそうなるという保証はないでしょう。ネタニヤフはもともとリスクをとらない慎重な性格で知られ、それが地上侵攻の遅れの一因ともいわれます。https://t.co/cTiuobwXwR pic.twitter.com/fZYWFQyxRr
— JD (@JDWorldBriefing) November 3, 2023
A majority of Israelis support their country’s military response to Hamas in Gaza but are divided over its scope, according to a survey by Pew Research. https://t.co/awoo4yYXt6
— The Washington Post (@washingtonpost) May 30, 2024
ピュー・リサーチ・センターの調査によると、イスラエル人の大多数はガザ地区のハマスに対する自国の軍事的対応を支持しているが、その範囲については意見が分かれている。
It's not Netanyahu. In January, only 3.2% of Jewish Israelis thought the amount of destructive firepower being dropped on Gaza was “too much”.
Now, newly released Pew polling found that only 4% of Jewish Israelis say Israel's military response has gone "too far". pic.twitter.com/7JutxsfXtS
— Khalid Hamadeh (@khalid_hamadeh) May 31, 2024
ネタニヤフ首相のせいではない。1月、ガザに投下された破壊的な火力の量が「多すぎる」と考えたユダヤ系イスラエル人はわずか3.2%だった。
今回新たに発表されたピュー研究所の世論調査によると、イスラエルの軍事的対応が「行き過ぎ」だと答えたユダヤ系イスラエル人はわずか4%だった。
ネタニヤフ首相は政権浮揚、戦闘継続を図るために米議会へ訪問する予定です。しかし、米国のリベラル系議員の多くが欠席を表明しています。
一時は米国内で超党派の支持を受けていたイスラエルですが、人命軽視するネタニヤフ政権の軍事行動により、その支持が急速に失われつつあります。
米議会トップ4名はネタニヤフ首相に議会合同会議で演説をしてもらえるよう正式な招待状を送付。
ジョンソン下院議長、シューマー上院院内総務・マコネル上院院内総務・ジェフリーズ下院内総務が連盟で署名 https://t.co/qCuxE8DWZk— Reika.H (@doll__en) May 31, 2024