がんばらずに副業で成功する唯一の方法 (滝川 徹)

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副業に興味はあるけど、大変そう。そう感じてはじめの一歩を踏み出せない人も多いだろう。しかし、ムリせず副業で成功することは十分可能だ。

そう語るのは現役会社員・副業講師の滝川徹氏。今回は、滝川氏の著書『ちょっとしたスキルがお金に変わる「副業講師」で月10万円無理なく稼ぐ方法 』より、がんばらずに副業で成功する秘訣について、再構成してお届けします。

やり方さえ間違わなければ副業は大変ではない

本書で私が一番お伝えしたいこと。それは時間を味方につけて、ムリのないペースで楽しみながらセミナー講師をやりましょうということです。講師業に限らず、副業は大変。そんなイメージもあると思います。

だからこそ多くの人は副業に取り組まないのではないでしょうか。頭ではやったほうがいいことはわかっている。でもただでさえ本業が忙しい。そんな中、副業に取り組む余裕がない。これが多くの人の本音だと思います。

私がお伝えしたいのは、やり方さえ間違わなければ副業、特に講師業は大変ではないということです。たしかに世の中で成功しているように見える人は大変な思いをしている人が大半です。

たとえば会社員をやりながら副業でも成果を出している人、いわゆるインフルエンサーと呼ばれるような人たちは平日はもちろん、週末もたくさんの時間を副業に費やしています。

しかし、そうしたやり方が副業で稼ぐすべてではありません。私が経験を通してわかったこと。それは、成功するには2つの方法があるということです。一つは先程紹介したインフルエンサーのように、毎日血の滲むような努力を続ける方法。もう一つは時間を味方につける方法です。

つまり、長い期間で少しずつ無理なく取り組んでいく方法です。本書が提案するのは後者です。前者のやり方はおすすめしません。その理由からまず説明していきたいと思います。

必死にがんばっても報われるとは限らない

理由はいくつかありますが、一つは、単純に前者のやり方だとつらいからです。つらいとまず、毎日が楽しくありません。さらに最悪なのが、いつまでそのつらい生活を続けたらいいのか。見通しが全く見えないことです。

あまり世の中では大っぴらに語られませんが、実は成果は運にも大きく左右されます。血の滲むような努力をしたからといって成果が出るとは限らないのです。インフルエンサーと呼ばれる人たちが努力したことは間違いないでしょう。しかし同じくらい努力したのに報われなかった人たちもたくさんいます。では、何が両者に違いをもたらしたのでしょうか。

一つは運です。もう一つは、成果が出るまであきらめずに続けたことです。つまり、もし皆さんがインフルエンサーになりたいのなら、考えなければいけない問いは「いつ成果が出るかもわからない中、血の滲むような努力を続けることができますか?」となります。

私を含めて多くの人がNOでしょう。だから多くの人は副業をやらないのです。本能的にここで説明したことを理解しているからです。一方で多くの人が気がついていないのが、成功するためにはもう一つの方法・やり方があることです。

それが時間を味方につけること。すなわち長い期間をかけて、ムリなく少しずつ取り組み続ける方法です。これが本書が提案する戦略なわけですが、どういうことか、説明していきましょう。

毎日30分取り組むだけで夢は叶えられる

たとえば毎日腕立て伏せと腹筋を20回ずつやると決めたとしましょう。1日、2日と続けても身体には何も変化は起きません。しかし1年、5年、10年、20年と長い期間で考えたらどうでしょう。

何もやらない人と、毎日20回続けた人とでは、身体・筋肉に大きな差が生まれます。人間は先のことを想像するのが得意ではないのでイメージしづらいかもしれません。しかしこの差は10年、20年と期間が長くなればなるほど、皆さんが想像する以上に大きなものになります。

これが私が提案する、時間を味方につける戦略のイメージとなります。たとえ毎日少しの時間しか副業に取り組んでいなかったとしても、長い期間取り組めば、想像以上に大きな成果につながるということです。

逆にインフルエンサー的な戦略を今回の例でたとえると、毎日腕立て・腹筋を100回あるいは200回やるようなものです。たしかに続けられれば大きな成果になります。しかし問題は、「これを続けられますか?」ということです。

「よし、明日から毎日200回 やるぞ!」と決意したとします。少なくとも私なら3日も続けられないでしょう。仮に数ヶ月続いたとしても、ある時期にやめてしまったら筋肉は衰えます。毎日200回やると決めたなら、その筋肉を維持するためにも10年、20年、その先もずっと続けていかなければなりません。

これは腕立て・腹筋の例ですが、多くの人が副業でやろうとしていることも同じです。「今日からYouTube をやるぞ!」と決意する。毎日睡眠時間なども削りながら、一生懸命 長い時間取り組む。そうするとつらいし、思うように結果も出ない。結果として副業で稼ぐことをあきらめてしまうのです。

早く結果を出して人生を変えたい。その気持ちはわかります。でも、「多少時間がかかっても、ムリなく楽しみながら副業ができるのなら、そちらのほうがよくないですか?」というのが私の考えです。これはつまり、次のどちらの道を選びますか?ということです。

  1. 毎日つらい思いをして取り組む。短期間で成果が出るかもしれない。出ないかもしれない。
  2. 毎日ムリなく楽しみながら取り組む。成果が出るまで時間はかかる。成果が出ないこともある。

共通するのは成果が出るとは限らないという点です。異なるのは取り組み方と成果が出るまでの期間です。皆さんはどちらがいいと思いますか?

すぐに成果を求めるリスク

私には1.の戦略はリスクが高すぎるとしか思えないのです。1.は短期間で成果が出せる可能性があるというのが最大のメリットです。問題は、がんばって取り組んでる期間、全く人生が楽しくないということです。

想像してみてください。毎日本業をこなしながら副業もがんばらないといけない。睡眠時間、家族との時間、人生を楽しむ時間を犠牲にして、です。しかもいつまで続けていいかわからない。それだけがんばっても成果が出るとは限らない。また、短期間といっても10年あるいはそれ以上かかる可能性だって十分あるわけです。

もっと言えば、仮に早い時期に運良く結果が出たとしても、必ずしもその後悠々自適に暮らしていけるわけではありません。その成功を維持し、さらに成功したいと思うようになるのが人間です。結局その後も同じくらい努力をし続けなければいけなくなります。

では2.の戦略を選んだ場合はどうなるか。この戦略の一番いいところは、万が一結果が出なかったとしても。楽しい人生を送れることです。くわしくはこの後の章で書きますが、本書が提案するのは自分が楽しいと思うことを、ムリなく毎日コツコツと取り組んでいくというものです。

そうすると、まず毎日が充実します。自分がやりたいと思うことを毎日できているわけですから、達成感・充実した気持ちを味わうことができる。毎日が楽しくなるのです。この時点で人生がハッピーになります。

こうなると、なんらかの成果が出たらむしろラッキーなのです。もうすでに人生楽しいわけですから、結果が出たらそれはボーナスみたいな位置づけになります。つまり、2.の戦略を選んだ場合、成果が出ても出なくても、幸せな毎日・人生を送ることができるということです。

もちろん、このように感じることができるためには皆さんの心・内面が整っている必要があります。しかし自分の心・内面を整えることさえできれば、この戦略にはメリットしかないのです。

滝川 徹(時短コンサルタント)
1982年東京生まれ。Yahoo!ニュース・アゴラで執筆記事が多数掲載される現役会社員・時短コンサルタント。慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけにタスク管理を習得。2014年に組織の残業を削減した取り組みで全国表彰。2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。時間管理をテーマに2018年に順天堂大学で講演を行うなど、セミナー講師としても活動。受講者は延べ1,000名以上。月4時間だけ働くスタイルで4年間で500万円の収入を得る。著書に『細分化して片付ける30分仕事術(パンローリング)』『ちょっとしたスキルがお金に変わる「副業講師」で月10万円無理なく稼ぐ方法(日本実業出版社)』他。

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編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2024年5月30日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。