三島に戻った清流・源兵衛川にホタルを見た

3日ぶりに三島に来ました。どんだけ三島好きやねん。

時刻は19時20分。夏至が近いこの頃ですが、さすがに日が傾き始めています。こんな時間に三島に来たのには理由があります。

こちらは昼間の写真。

こちらは夜の源兵衛川。

やってきたのは3日前と同じく源兵衛川。三島駅から10分もかからずに来ることができる清流です。この時期、ここである生き物が見られるということでやってきました。

木の葉に留まって羽を休めるゲンジボタル。

そう、それはホタル。ここ源兵衛川では全国でも珍しい都心部でホタルを見ることができる貴重な場所なのです。

かつて清流だった源兵衛川は高度経済成長期に地下水のくみ上げや排水の流入、ごみの投棄などによりみるみる汚れていき、とてもホタルが住めるような場所ではありませんでした。

これではいけないと再生プロジェクトが始まったのが1992年。NPO団体や市民の地道な清掃活動や環境整備のおかげで前回ご紹介したような清流を取り戻したのです。今では澄んだ川でしか住むことができないゲンジボタルも生息できるようになりました。

私が訪ねた前の日(6月8日)、三島ホタル祭りが開かれホタルの放流が行われたばかりでしたのでホタルが見られるのでは、と思い三島まで来ることにしたのです。

夜の源兵衛側に降りてみました。ホタル、いるかな…?

おお!いる。わかりますか、点滅しながらゆらゆらと飛んでいるホタルの光。子供のころ家の近くの田んぼで見たことはありますが、それ以来ホタルを見たのは何十年ぶり。感動ものの景色です。暗い中で聞こえるせせらぎの音も、よき。

このように飛び回るのはオスで、メスは木の葉の影などで止まった状態で光を出してオスを待つのだそうです。

「水の都」三島 HPより。

写真のプロではないのでこんな写真は撮れませんが、

iPhoneのLIVEモードで写真を撮ったら図らずもホタルの軌跡がわかる写真が撮れました。これだでけも結構感動ものです。

仄かな光放ちながら舞うホタル。

遊歩道の、ホタル見物の人が行き交う叢の中でじっと留まっているホタルがいました。人が近づいても飛んでいきません。ホタルというのはそういう性質の生き物なのでしょうか。もしそうなら人につかまりやすく、その性質がホタルが減ってしまう原因になったのかもしれません。

一瞬光を当ててみました、ごめんね。それでも逃げることはありません。いじらしく葉っぱにしがみついています。

紫陽花の葉にも留まるホタルがいました。淡い光を放つ姿が何ともいじらしいです。こんな姿を新幹線駅から徒歩10分もかからない場所で見られるなんて感動ものです。

水の町・三島きっての清流、源兵衛川。ホタルが住める川であることが、この川が真の清流であることを示してくれました。まだまだ数は少ないと思いますが、これからどんどん数が増えてわたしたちに夏の訪れを告げてもらいたいと思います。


編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年6月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。