新人が覚えるべきたった一つのルールとは

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「なぜか職場で誤解されてしまう」「ほんとうはいい人なのに、そう見られない」。そんなあなたが、正当に評価されるために身につけるべき、行動の原則があるのをご存じだろうか?

挨拶は聞こえているか

行動を変えなければ、周囲の評価は変わらない。人は人を「見た目」で判断する。つまり、見た目を修正しないと損をすることになる。では具体例を紹介しよう。

上司が出社した。会社では、すでに出社している部下たちが、上司のもとに駆け寄ってくる。次に、一斉に「おはようございます」の声が響きわたる。特別な用事か、電話中でもない限りあなたも同じ行動をとるはずだ。

このとき、あなたの声が上司に届いているか考えてもらいたい。他の同僚の声にかき消されていないだろうか。あなたの声が上司の耳に届き、あなたの挨拶の姿勢が上司の目に入っているだろうか。相手に届いていなければ、それはしてないのと同じなのである。

このような、挨拶の積み重ねが評価につながる。

・中川は、いつも明るく気持ちがいいな~
・吉田は、挨拶もできないのか。けしからんヤツだ!!
・田中は、抜けているが挨拶はちゃんとするねえー

こんな具合である。挨拶が聞こえないと「挨拶ひとつできない奴」と判断されるだろう。最後には、「上司に対して反抗的で生意気やヤツだ」とまで思うようになる。上司が部下をどのように捉えて評価するかは勝手なのである。あなたは知らないうちに反動分子にされてしまうだろう。

挨拶で忠誠心まで疑われる

これはある会社のケースになる。鈴木さんは、キング商事に勤務する入社5年目の社員である。現在の役職は営業部所属の係長。昨年の4月に係長に昇進したがスピードは社内でも平均的だった。その年の冬に、同期から課長が誕生した。彼は社内でも将来を嘱望されていた人物だったので焦りはなかった。

翌年、鈴木さんの後輩から課長が誕生した。鈴木さんは係長のままだった。翌年、さらに1年下の課長が3名誕生した。さすがに、鈴木さんは焦った。鈴木さんは営業部内でもそれなりの成績を上げていたので理由がわからなかった。

鈴木さんは、ストレスに苛まされてとうとう休職してしまった。そんなとき、人事部にいる同期が会いに来てくれた。彼に打ち明けたら次のように言われた。

「営業本部長や人事部長に評判がよくなかったみたいだ」と指摘された。さらに「 挨拶もしないって言われていたよ」。

鈴木さんはショックのあまり卒倒した。

鈴木さんは係長になった頃から、挨拶は部下からされるものと勘違いしていた。大したことはないと思っていたが、上司の怒りを買っていた。だから昇進できなかった。

挨拶が与える影響について覚えておきたい。世界的に有名な飲料メーカーがある。荷物の配送前に、ドライバーが集合する。その際、挨拶ができない者は当日のシフトから外される。「挨拶ができないくらい体調が悪いのだから働かせられない」という理由である。

仕事で成果をあげるにはそれなりの努力が必要とされる。テクニカル要素や相応の運にも恵まれなければいけないだろう。しかし、挨拶なら今日から実行できるはずである。

すぐに出来ることは改めたいもの。油断大敵であるとも申し上げておきたい。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

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