北鎌倉・一面明月院ブルーのあじさいを訪ねる

電車が到着するたび大量の人が改札から溢れ出る北鎌倉駅。

6月。あじさいの季節になりました。ここ最近はあじさいの季節になるとどこに見に行こうか?と悩んでいましたが今年はあまり悩むことがありませんでした。

というのは、今日6月15日に横浜に来る用事があり、それならば鎌倉に寄ろうと早々に決めていたからです。鎌倉のあじさいといえば北鎌倉の明月院。というわけでJR横須賀線・北鎌倉駅に降り立ちます。まだ午前9時前なんですがすごい人出です。北鎌倉駅はホームが細く長いのですが観光客が狭いホームをぞろぞろと列をなして歩いています。

駅から歩いて10分ほどで明月院に到着します。あじさいの季節以外に何度か来ているのですが、そのときはスムースに入れました。が、今回は明月院に行く手前で行列ができており順番待ち。やはりあじさいの季節、明月院はかなりの人気スポットです。とはいえ列の進みは早く10分もかからずに入ることができました。

入口手前の橋ではうさぎと亀がお出迎え。

総門をくぐり、中へ。中では順路はそこまで細かく決められているわけではないので(おおまかにはある)自由に散策できます。

今、明月院のあじさいは満開!開花したときには青がやや白みがかっているのですが、徐々に青が濃くなっていきます。近年はさまざまな品種のあじさいが品種改良により生まれ私たちの目を楽しませてくれていますが、明月院のあじさいの95%は姫あじさいという小ぶりで優美な品種でそろえられています。しかもすべて「明月院ブルー」と呼ばれる青色。

あじさいは土の酸性度によって花の色が変わりますが、明月院の土で育つあじさいはすべて「明月院ブルー」一色に染まります。あじさい寺として伝統を保つ明月院。統一美を感じさせてくれます。これらのあじさいは開花が終わると300鉢分のさし木を行って新しい株を育てています。

一輪だけ葉に乗るあじさい

空を見上げれば紅葉の木があじさいを覆うように幹を伸ばしています。明月院は紅葉も有名で紅葉の時期にも大勢の観光客がここを訪れます。

明月院の名物のひとつ「花想い地蔵」もこの時期は両手いっぱいのあじさいを抱えています。大勢の人に囲まれて写真を撮られて少々照れているかのように見えます。

あじさいの花の向こうには「方丈」と書かれた本堂があります。ここは明月院で最も有名な「悟りの窓」と呼ばれる丸窓のある建物なんですが、

昨秋撮影。丸窓の向こうの光景が切り抜かれた絵のようで美しい。
季節が全然違うけれど今回はこちらをご覧ください。

今日はこの丸窓の写真を撮るために、朝9時というのに既に大長蛇の列。本堂前から少し離れた開山堂まで続き、さらに開山堂をぐるっと囲むようにして並んでいました。聴いたところ少なくとも1時間は待つでしょうとのこと。順番のきた人が風景だけじゃなくて自らが入って写真を撮るのにアングルやポーズを決めたりするので1組の撮影に時間がかかります。

丸窓は昨秋撮っていたこともあり、今回はスルーすることにします。ちらっとだけのぞきこんで撮ったのがこの写真。秋とはまた違った趣ですね。青もみじが美しく初夏の鎌倉を涼やかに彩ります。

竹林を抜けると総門の前に戻ります。

至るところに人がいて、院内は多くの観光客で歩くのがやっとです。写真は頑張って人の写らないようなタイミングを狙って素早く撮りました。

明月院のあじさいは7月上旬までみごろ。これからどんどん明月院ブルーが濃くなっていきます。一面の青の世界を是非一度見に明月院を訪ねてみてはいかがでしょうか。


編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年6月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。