「悪口を言わない人」の頭の中

黒坂岳央です。

「悪口を一言も言わないなんて信用できない。腹黒い」と言われることがある。本当だろうか?

自分自身、昔は悪口を言う側に立っていた時期もあったのでえらそうなことはいえないが、今は誰かを名指しで批判することは一切しない。なので悪口を言わない人の考えていることは理解できるつもりだ。本稿では彼らの特徴を言語化することに挑戦したい。

francescoch/iStock

自分軸を生きている

人生の生き方には2種類ある。すなわち、自分軸と他人軸である。悪口を言わない人は自分軸を生きている。簡単にいえば「人は人、自分は自分」と完全に割り切っているということだ。

自分軸なので、良くも悪くも他人に依存や過剰な期待は一切ない。「普通このくらいやってくれるでしょ」とは考えないので、あてが外れて相手が自分の望まない行動をしても腹も立たないし、悪口をいってもやもやを吐き出したいとも思わない。

逆に言えば、名指しで悪口ばかり言う人はその相手への期待値が高すぎると思うのだ。でも自分と他人はまったく別の人格で別の価値観を持っているので、自分の思い通り動くと考える方が傲慢という捉え方もできるのではないだろうか。

行動力がある

悪口に相手を動かす力はない。大抵の場合、相手の知らないところでコソコソ集まって攻撃をするだけだからだ。

悪口を言わない人は悪口に使う時間がムダだと考えており、口を動かす暇があれば根本解決してしまった方が手っ取り早いという価値観を持っている。自分自身、どうにも対応に困ってしまうような相手と対峙する瞬間があるが、その場合は「この話はなかったことにしましょう」で取引をしないno dealの選択肢を取る。

パワーバランスを利用して無理に取引を進めたり、悪口をいってまで我慢してまで付き合う必要はない。課題があるなら解決をする。無理ならno deal。そこに悪口を言わなければいけない必然性はないだろう。

類友の重要性を理解している

「その人の実力を知りたければ、周囲にいる人間を見なさい」という言葉がある通り、人間は同じレベル同士でしか付き合えない。悪口や陰口を言う人は同じ価値観で集合する。それで心地いいなら何も問題はない。だが、悪口を時間の無駄、自分を棚に上げて批判ばかりで気分が悪いという価値観の持ち主にとっては、類友の力を理解しているので「悪口をいってばかりの人に付き合いたくない」と考えるのだ。

これはよくある話なのだが、自分がコールセンター派遣で働いている時期、人数が多かったというのもあり派閥抗争のようなものがあった。AグループではBグループの悪口をいい、逆もそうだった。コウモリのようにAとB両方のグループとやり取りしているつもりでも、実は裏で自分は両グループから悪口を言われていた、という経験がある。

これは疑心暗鬼になるし、ムダなことに心が疲弊して何も良いことがない。だから悪口ばかりいうグループからはさっさと抜け出して、自分にあうコミュニティに属する方が良い時間を過ごせると考えるのだ。

「悪口一つも言えない人は信用できない」という言葉があるが、自分は「陰口や愚痴不満しか話題がないような人からは、むしろ信用されない方が良い」という価値観がある。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。