やめられない、止まらない中国の製品生産と輸出:消費者金融も驚く無茶ぶり

行政でいろいろ話題が尽きない兵庫県ですが今回の元県民局長の自殺と片山副知事の辞任と斎藤知事の辞任拒否は因子が複雑でパズルが解けなくなりそうです。

久々に聞いた知事の「嘘八百」は失言です。ただ、元県民局長が真に問題追及するなら百条委員会を前に自殺する理由は見当たらないはずです。つまり今回の問題、真相がわからないのですが、コミュニケーションエラーが生じていた気がします。

知事は東大経済学部から総務省ですので頭は優秀。ですが部下となる職員とかみ合っていないようでした。石丸さんが安芸高田市長をしていた時と似た構図ですね。長になる人は学校や職業の経歴じゃダメなんです。人間性で選ばないと。

では今週のつぶやきをお送りいたします。

真夏の夜の怪

外為取引をしていたミセスワタナベにとっては寝耳に水だったでしょう。アメリカの消費者物価指数が発表されたNY時間11日朝、円が独歩高になり4円近く急騰しました。為替で円安にかけていた人たちはストップロスを巻き込んだと思います。

物価が事前予想より改善して収まった統計結果に9月利下げの確度が更に高まった状況になり円安のバイアスが一瞬消えました。ここで財務省が波乗りのように為替介入をして為替の振れ幅を大きくさせたのではないか、というものです。介入規模は3-4兆円とされるので前回に比べ効率の良い動きだったとも言えます。

神田財務官はあと2週間で異動になるので介入の予測もできなかったのですが、市場取引高が薄い時間に押し込む手法と「神田の名が廃れてもどうせあとわずか」というヤケクソもあるのでしょうか?

実はこれを書いている今も動きは奇妙なので追加の介入を少しやっている気がします。ただ、アメリカと日本の金利差は仮に9月にアメリカが下げ、日本が利上げしたとしても大きな差は残るわけで円安のバイアスが止まるわけではありません。

一方で世界主要通貨で円だけが突出して弱いというのもおかしな話で5%、ないし8円ぐらいがレンジ幅から外れている状態です。つまり160円を基準にすればレンジ下限は152円で円が他通貨に対して弱い理由がなければ16円円高の144円あたりが妥当になります。

神田氏はせめて150円は切ってほしいと思っているのでしょう。ただイエレン財務長官がつぶやいた「為替介入は稀に行うべき」という前提からすると神田氏は掟破り。アメリカは日本を為替操作監視リスト国にしていますが、円安は日本企業への影響も以前ほどではなく、輸出ドライブがかかるわけでもなし、ましてや円高にしようとするのですから監視されるのもおかしな話ではありますが。

やめられない、止まらない中国の製品生産と輸出

余っているのはEVだけではありません。船だって太陽光パネルだってとにかく中国は経済の需給の観念が全く異次元であります。端的に言えば「中国はやっぱり世界の工場である」なのです。製造は国内、販売先は地球儀全部。理由は「僕ら、中華思想だもん!世界の中心は中国だよ」。ではなぜ中国の企業は儲からないのに製造できるのでしょうか?

中国は雇用確保が第一です。第二に地方税収。若者の失業率が叫ばれる中、中央政府から地方政府に経済の活性化の指示が飛んでいて製造業を後押ししているのが理由だとみています。かつては融資平台で地方政府はウソの不動産需要をベースに地方政府に金が落ちるような仕組みを作り中国経済を壊しました。

そこで地方政府は必死で次の手を考えます。「地産地消」なら許せますが、「地産外消」で工場を動かし、雇用を活性化し、企業が納める税金で地方政府はウッシッシ。企業が製品を売れるかどうか「そんなこと知ったこっちゃねぇ」。

よってアメリカやカナダは中国製EV関税の大幅引き上げをしますが、それができない新興国には中国製EVが溢れ、太陽光パネルを押し付けられます。「わが国と中国とは良好な関係のもと…」の政治的枠組み故に新興国経済を根幹から壊していきます。

金を貸し付け、国家経済を壊し、借金のカタに港湾施設の優先使用権を奪っていくという悪名高き消費者金融会社も驚く無茶ぶりをしてきた国です。「オタクの国を環境先進国にしましょう」という甘言で「トヨタよりBVD」と暴走を続ける中国は政権全体がイエスマン、習近平氏の独裁と暴走を支援しているといえるでしょう。ただ暴走したら事故るんですよ、必ず。

Laoshi/iStock

コストコは得か?

昔カフェを経営していた時、コストコは仕入れ先の一つでしたが、仕入れの全体の1割にも満たなかったと思います。理由はなんでも安いわけではないからです。

消費者は騙されやすいのですが、いわゆるバルクセール、日本で話題の業務スーパー的な大量買いは単価が下がるはずなのでお得である、と。この一見正しそうな論法は実は必ずしもそうではありません。価格の決定要因はあまりにもたくさんあるのです。全体でみるとバルクで買っても少量買っても価格が変わらないことはしばしばあります。

例えばバンクーバーのコストコに行けばステーキ肉は3枚入りで70㌦(8000円ぐらい)。ところがスーパーストアなど通常のスーパーに行けば1枚15㌦、つまり3枚なら5000円強で買えたりします。もちろんコストコが安いものもあります。ケースバイケースなのです。

そのコストコ、年会費引き上げを発表しました。5㌦から10㌦の引き上げです。(日本は未定。)実はコストコの収入は特殊で年会費収入と販売から上がる利益が同じか年会費収入のほうが多いぐらいなのです。つまりほぼサブスク状態ともいえるでしょう。

北米の日曜日の午後、コストコに行くのは戦争です。お母さんは買い物でへとへと、お父さんはコストコの安いガソリンに並び、ようやく一息ついて200円のホットドックで小腹を満たすわけです。

私は何が嫌かといえば車を駐車するにも戦争で下手をすると20分ぐらいうろつかねばならないのです。かといってコストコと車は一体関係。決して買い物バックをぶら下げて歩いて行けるようなところではありません。そんな環境にも肉体にも精神的にもそして貴重な日曜日を買い物戦争に巻き込まれるためにもコストコへ行くのがお得かといえば私はもうコリゴリであります。

後記
街ゆく人は夏休み、そんな中、私は6月決算の会社が2つあるので数字との格闘技。決算というのはどんな大企業でも調整をするのが世の常です。

以前勤めていたゼネコンでは決算の一次締め、二次締めがあって二次締め前に会長からバッサリやられて経理部長が頭を抱えることもしばしば。「えっ、決算は過去の数字の積み上げでは?」というのは素人。どれだけ合法的にいじるか、これが経理マンの腕の見せ所です。つまり私の数字との格闘技とは合法的な調整をするための知恵と技の出し合いですが今日までに全部完了提出するつもりなので週末は少しは太陽との格闘が出来そうです。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年7月13日の記事より転載させていただきました。