口ぐせを見直す?言葉はアナタの未来を大きく変化させる

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あなたは、自分の「口癖」に気づいていますか? 毎日さりげなく使う言葉が、あなたの未来を創っているのです。

言葉は、ただのコミュニケーションの道具ではありません。『言語』は、私たち人間の歴史や文化、生き方、価値観を受け継ぐDNA(遺伝子)とも言えます。

五感の魔法:あなたが主人公になる 人生好転の脚本を創る方法」(松谷英子著/ごま書房新社)

口癖やよく使う言葉の振り返り

日本には『言霊』という考え方があります。古来から、言葉には深い力と神秘が宿ると信じられてきました。 大和言葉では、言葉を「言(こと)の葉(は)」と呼びます。松谷さんは次のように続けます。

「凝止ノ葉」と書くと、心に溜まったものが、ハ(葉・歯・刃・羽)として飛び出すという意味です。ハは出る、払う、膨らむなどの意味を持ちます。日本語の48音には、一つ一つに意味があります。言葉とともにエネルギーが流れる世界最古の豊かで、貴重な言語なのです。さて、ここで、あなたの口癖や、よく使う言葉を振り返ってみましょう」(松谷さん)

「自分で書いたら、次に、家族や職場の仲間、友人などにも、聞いてみてください。『普段、どんな言葉を使っていますか?』と尋ねると、意外な発見があるかもしれません」(同)

【年代別、使われる言葉】
<例:10代の学生>

  • もう、無理!
  • ヤバい!
  • 最低or最悪
  • 面倒くさい
  • だるい

<例:30代のビジネスパーソン>

  • 疲れた
  • もう歳だから
  • バタバタしている
  • どうでもいい
  • お金がない

<例:50代の主婦>

  • さびしい
  • 忙しい
  • 時間がない
  • 私なんて・・・
  • 失敗するかも

言葉を発すると、まず自分が聞きます。言葉に出さなくても、頭で考えるだけでも、脳は反応します。言葉が「現実への道しるべ」になることを忘れないようにしましょう。

私の医院で起こった出来事

ある時、スタッフがミスをしました。松谷さんがその原因と対策を聞いたところ、次のようなやり取りがあったそうです。

「そのスタッフは、『はい、改善いたします』と言わないで、『〇〇さんに言われたんです』とか、『この医院に来た時に教えられたんです』と言いました。 つまり、自分は悪くない。教えられた通りにやっただけ、ということでした。考え方を変え、言葉を変え、行動するように促しました。でも、半年間『〇〇さんに言われたんです』と言い続けました」(松谷さん)

「このような習慣がついている人は人生においても、自分の理想には近づけません。私は半年間、伝えることは伝えた上で半年待ち、決意して言いました。この診療所内で、何かトラブルが起きた時に、『〇〇さんから聞きました、とか、自分には何の責任もない言葉を言ったら、即退場!もう2度と医院には戻ってこないでください』と伝えました」(同)

結果はどうだったのでしょうか。松谷さんは覚悟して言葉を伝えたところ、その日を境に、全く言い訳することは無くなったそうです。

言葉には言霊という力があります。ネガティブなものはポジティブに変えましょう。言い訳する言葉をやめたら、仕事が改善します。言葉を変えて、行動につなげていきましょう。新しい気づきがあるかも知れません。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

2年振りに22冊目の本を出版しました。

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