東京都知事選に関する朝日新聞記者のX投稿をめぐって、次のような騒動が発生しました。
アゴラ:東京都知事選で3位になった蓮舫氏が、連合・芳野会長の発言を批判した投稿しました。これに対し、朝日新聞の政治記者が実名で蓮舫氏を批判しました。この投稿に対し蓮舫氏陣営から批判が相次ぎ、朝日新聞が謝罪、本人に対して厳重注意をしたことが話題になっています。
『女性自身』によれば、朝日新聞は次のように謝罪したとのことです。
朝日新聞:個人の見解の投稿でしたが、配慮に欠ける極めて不適切な内容と考えています。会社としても本人に厳しく注意しました。関係する皆様に深くおわび致します。
ここで立憲民主党の米山隆一議員の登場です。
米山隆一議員:この件で抗議したのは蓮舫氏ではなく私です。但し抗議の内容は、発言そのものではなく、『じゃねーだろ。読解力ないのか?』と言う無礼な言い振りに対して、普段お付き合いのある他の記者に口頭で行いました。
記事によると、米山議員は、記者の投稿の内容ではなく表現を問題視したそうです。記者の無礼な言い振りに対して米山議員が抗議するのはごもっともです。嫌な思いをされたのですね。
ただ、記者が「発言は個人の見解です」とことわった上でXに投稿しているのに、朝日新聞が謝罪するというのはどうかと思います。加えて、もしも朝日新聞が無礼な言い振りについて米山議員に謝罪したのであれば、同時に朝日新聞の紙面で無礼な言い振りを繰り返している朝日新聞の高橋純子編集委員についても厳重注意し、関係者に謝罪することが必要であると考えます。
以下、高橋氏の無礼な言い振りについてほんの一部だけ紹介したいと思います。
2023年11月11日 朝日新聞(多事奏論)
「任能わザル首相の飛ばない紙飛行機 自ら身引けぬなら国民の信を問え」
高橋純子氏:人物評の定番に「器が大きい/小さい」があるが、はて、岸田文雄首相はどっちだろう?……うむ。大小の問題ではもはやないな。器がザル。いくら努力しても効果がない=ザルで水をくむのザル。そう言わザルを得ない。内閣改造に所得減税、手を打つほどに沈みゆく内閣支持率。ああ。私がお抱え占師ならば、水晶玉越しに首相の目をのぞき、こういう時こそ「自分」を見つめ直せと言うだろう。あなたは何をなすために首相になったのか――。
「器がザル。いくら努力しても効果がない=ザルで水をくむのザル。そう言わザルを得ない。」って、首相を人間として否定していますよね。
2023年9月23日 朝日新聞(多事奏論)
「ジョセーナラデワ カビ生えた思考の首相とこの国の政治に抱く絶望」
高橋純子氏:これは出るね。たぶん出るよ、あのNGワード。そう思って記者会見を注視していたら、やっぱり出た。「女性ならではの感性や共感力を十分発揮していただきながら仕事をしていただくことを期待したい」岸田文雄ならぬ地雷踏み男、悪い意味で期待を裏切らない首相である。ジョセーナラデワノカンセーなんてカビの生えた紋切り型の言葉でしか5人の女性閣僚への期待を語れないのは、首相の思考にカビが生えており、かつ、首相にとって5人が「数」でしかないことの証左だろう……なんて書いていたら、副大臣と政務官計54人全員が男性との報が飛び込んできてアゴが外れた。なんですかね? 私たち、ケンカ売られてるんですかね?
男女は同権です。しかしながら、認知発達理論やジェンダースキーマ理論で説明されているように、現実社会が性役割を形成するため、自ずと「女性ならではの感性・共感力」は存在することになります。
例えば、朝日新聞が導入を主張するクオータ制の目的は「女性の感性を活かす」ということであったかと思います。例えば、立憲民主党の辻元清美議員は、朝日新聞の記事で「女性ならではの感性や共感力」の存在を主張しています。
2020年11月4日 朝日新聞
辻元清美議員:女性は生活に密着した感性を持ち、人に寄り添うのが上手です。
明らかに、高橋氏は、ジェンダー平等とジェンダースキーマを混同しています。岸田首相の発言はNGではありません。もしNGであるのなら、辻元議員に対しても「思考にカビが生えている」と批判する必要があります。ちなみに高橋氏は、この件について、TBS『サンデーモーニング』でも次のように発言しています。
2023年9月17日 TBS『サンデーモーニング』
高橋純子氏:岸田総理は辛うじてアピール・ポイントとなる女性閣僚5人を起用したが、これに対して「女性ならではの感性」と言った。プププ~、ふざけんなと正直私なんかは思った。(副大臣と政務官の)54人の全員がスーツでネクタイの男性だけが並んでいるというのは非常におぞましい。
この性に基づく人間否定は明らかに男性差別かと思います。
2023年7月29日 朝日新聞(多事奏論)
高橋純子氏:民の暮らしを案ずるフリすらできないでいて、何が原点だ。なにが津々浦々だ。寝言は寝て言えって寝言で言うぞ。
高橋氏が言論の自由を行使するのは何の問題もありません。しかしながら、表現のうち非言論の要素を使って表現の自由を濫用するのは公然としたいじめに他なりません。
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以上要するに、高橋氏の無礼な言い振りは「個人の見解の投稿」ではなく「朝日新聞編集委員の見解の朝日新聞への寄稿」であり、「配慮に欠ける極めて不適切な内容」であると考えます。
朝日新聞が、米山議員をめぐるX投稿の件で、所属する政治記者に厳重注意して米山議員に深くお詫びしたのであれば、同時に高橋純子編集委員にも厳重注意し、岸田首相にも深くお詫びすべきと考えます。そうでしょ(笑)