エクス=アン=プロヴァンスへ。「オテル・ド・コーモン」の”ボナールと日本”展を観に。
ナビ派の代表画家ピエール・ボナールは、同世代の多くの画家たち同様、日本アート、特に浮世絵にとても惹かれていて、コレクションもしていたそうで、”ナビ・ジャポナール”とあだ名をつけられていたそう。
そんなボナールの作品を、浮世絵と比較しながら楽しむ企画展。
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キュレーターさんの説明を聞きながら、楽しい見学
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ボナールが所有していた浮世絵
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1890年に開催された日本版画展のポスター。ジュール・シュレが描いてる!
シュレが日本を描くとこうなるのね〜。興味深い。
この展覧会を見て、ボナールは浮世絵にほれたそう。
オルセーから借りてきた4枚の女性像&見返り美人、白抜きで見せるシャンパーニュの泡&神奈川沖浪裏、裸婦や動物という被写体、光の捉え方などなど。言われてみれば確かに!的な共通点や面白さもあり、ゴッホ同様日本に憧れたボナールの心情が伝わってくる。
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左:浮世絵の美女たち、右:ボナールの美女たち
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この白抜きのシャンパーニュの泡は・・・
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北斎の波しぶきの白抜きと共通しているそう
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同じ構図
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こちらも
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ボナールは版画もたくさん手がけた
カンヌ郊外にあるボナール美術館のコレクションがごっそりある上、素敵な個人蔵も多く、純粋にボナール好きとしては嬉しい初見作品もいくつか。
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今回の、”どれか一枚もらえるなら”は、これがいい
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ボナールの最大の魅力は、この美しい色使いだと思う
プロジェクションマッピングで没入型の展示も。この美術館を手がけているのは「アトリエ・ド・ラ・リュミエール」と同じ組織なので、この手の映像アートはお手のもの。
そして、ボナールといえば、猫。この展覧会にもかわいい猫ちゃんが何匹か♪目を細めて鑑賞。
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浮世絵にも、猫はたくさんでてくる
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ショップには、作品にたくさん描かれてるタッケル(ボナールはタッケルがとりわけお気に入りだったそう)や猫ちゃんぬいぐるみも
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オルセーから来た美女4人のマグネット
並べて貼ったらかわいいね
「オテル・ド・コーモン」は18世紀建立の美しい建物。ロマンティックな雰囲気のカフェ&テラスもあって、食事やお茶も楽しめる。
デザートのフランボワーズタルトがおいしくて、どこの?と聞くと、「フィリップ・スゴン」。やっぱり、ご近所だし。
帰る前、ちょっとだけ時間あったので、ミラボー通り散歩して(名門カフェ「レ・ドゥ・ギャルソン」は、ずーっと閉店中・・)、このMOFパティシエのお店でサブレを少しゲット。ついでに、1年前からエクスに来たら行きたかったお店があったので、そちらも駆け足で寄り道。
あっという間のエクス滞在だけど、素敵な展覧会と、久しぶりにこの美しい街&サント=ヴィクトワール山を見られて嬉しい。
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エクスの中心地、ミラボー通り
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ずーっと工事中の名物カフェ
またこのカフェのテラスに座れる日が来ますように
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TGVの車窓から、サント=ヴィクトワール山
セザンヌがらみで、市内に新しい美術館だかスペースができるらしい
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フィリップ・スゴンで仕入れたサブレ
半分は、TGVの中で食べちゃった
そして戻ったパリで、ボナールの最愛猫であり絵に描かれた3大大好き猫の一つでもある”白猫”が恋しくなり、「オルセー美術館」へ。
あれ、いつもの住処にいない!また出張に出ちゃった?とうろたえるも、すぐ横のエリアでやってる”ナタナエル・エルブラン”展の壁にいるのを発見。エルブラン作の、黒猫&オスカーという名の白猫を従えて飾られてて、なんかとっても微笑ましい。
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いた!
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これぞ、猫中の猫
エルブランの黒猫も悪くない
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こちらの3匹も、大好きなボナール猫
授乳中の母猫の顔、たまらない💕
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エルブラン展のポスターにもなった作品
似てるよね、ボナールの母猫に
編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々5」2024年5月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々5」をご覧ください。