日経新聞・テレビ東京が行った緊急世論調査において、「次の総裁にふさわしい人物」で小泉進次郎氏と小林鷹之氏の数字が急伸長しています。
とりわけ小林鷹之氏についてはポイントが実に8倍にもなっていて、特筆すべき事象です(1→8ポイント)。
私は今回の総裁選は小泉進次郎氏と小林鷹之氏が二強で、本当に日本の政治や自民党に「刷新感」をもたらすのではあれば、小林鷹之氏がもっとも強いと密かに感じていました。
なぜ小林鷹之氏が「刷新感」で良い・強いのかというと、逆説的に「まだあまり知られていない」からです。
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これまで政治や選挙の世界では「知名度」はあるに越したことはないというのが常識でした。悪名は無名に勝るとまで言われていましたからね。
ところが今や、知名度がある・良く知られているには「既存の古い人・期待が持てない人」というネガティブイメージがつきつつあります。
衆院補選の乙武洋匡氏や都知事選の蓮舫氏がまさにその典型で、思った以上に票が伸びなかったという結果は衆目が一致するところでしょう。
それはあまりにも高い知名度と様々な「実績」により、有権者にすでにイメージが染み付いていた、ゆえに「なにか新しいことが起こりそうだ!」というワクワク感が起きなかったことが原因だと私は考えています。
知っている人だと、人々の予測が可能になってしまうんですよね。
一方で、知名度のない新人というは知名度がないがゆえに、「期待の対象」にすらこれまで入ることはありませんでした。
なので、結局は知名度が高い人の方が逃げ切ってきたと。
ところがSNS時代になり、何かのきっかけで爆発的に知名度が高まる機会が得れる社会になると、この力関係がひっくり返ります。
一時的に知名度を獲得した「新人」が、「新しい・未知だ」という期待感を集めて一気にトップ戦線に躍り出る…。
都知事選挙における「石丸現象」は、このことを端的に示している事象だと私は捉えています。
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翻って自民党の総裁選では、不確定なSNSのバズよりももっとも確実に、テレビ報道等で露出が増えることが確約されているイベントです。
なので、小林鷹之氏のような「今は(世間一般的には)あまり知られていない」キャラクターこそ、「刷新感を発揮できて」「結果的に選挙にも強い」最強の人材になり得ます。
強大なライバルが生まれつつあるのを背筋が寒くなる思いで見ているというのが正直なところですが、本当に自民党というのは人材の層が厚いし、こうした展開を作り出すことも巧妙です。
事象は事象として受け止めながら、そんな自民党に対抗できるように維新も政策・広報の両面で危機感を持って臨戦態勢をつくってまいります。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2024年8月22日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。