「闇バイトアプリ」の創業者が逮捕:表現の自由をめぐる議論の行方は?

ウクライナやロシアなどで人気のメッセージアプリ、テレグラムの創業者がフランスで逮捕されました。逮捕されたパヴェル・ドゥロフ氏はテレグラムの犯罪利用を怠っていたという疑惑が持たれています。

以前、週刊文春がテレグラムのことを「闇バイトアプリ」だと形容していました。

テレグラムはプラットフォーム上の検閲が弱いことで人身売買やテロ行為など犯罪者が集まる場と化していることが批判される場合もありますが、政府の検閲が厳しい国で「表現の自由」を担保するツールとしても定評があります。

テレグラムを真の意味での「表現の自由」を追求しようとして、フランス政府に目を付けられました。このことから、米国政府の違法な諜報活動を告発したことで亡命者となったエドワード・スノーデン氏は今回の逮捕劇に警鐘を鳴らしています。

@Durovの逮捕は、言論と結社の自由という基本的人権に対する侵害です。マクロン氏が、私的な通信にアクセスするために人質を取るというレベルにまで堕落したことに驚き、深く悲しんでいます。これはフランスだけでなく、世界の品位を落とす行為です。

一方、Xのオーナーを務めるマスク氏のように、プラットフォーム上での法に抵触する行為があれば、規制は正当化されるべきだという意見もあります。何をもって閾値とするかは「表現の自由」が直面する永遠の課題です。

「言論の自由」とは、単に法律に合致するものを意味します。 私は法律をはるかに超えた検閲に反対です。 人々が言論の自由を制限したいのであれば、政府にその旨の法律を制定するよう求めるだろう。 したがって、法律を超えることは国民の意志に反することになります。

テレグラムが崇高な理念に基づいて運営されている一方で、実際に同アプリが犯罪の温床となっていることは紛れもない事実です。しかし、プラットフォーム内で発生した全ての違法行為をプラットフォーマーが監視をすることは、至難の業であるようにも思えます。

ドゥロフ氏はロシア出身で、ロシアでもメッセージアプリを開発していました。しかし、反政府の活動を規制することを要求したロシア政府と対立し、それをきっかけにロシアを去っています。

その後、ドバイを拠点にテレグラムを創業しています。

ロシア出身のドゥロフがドバイで設立したテレグラムは、彼が2014年にロシアを離れた後、VK上の反対派グループの閉鎖を拒否して作られた。

また、ドゥロフ氏は体づくりにもこだわっています。

x.com

フランス政府は今回のドゥロフ氏逮捕に政治的意図は無かったとして、騒動の火消しに奔走しています。

 

今回の事件をきっかけに、日本でもテレグラムの認知度が高まるのでしょうか?

ドゥロフ氏(同氏Xより)と小室圭氏(同氏事務所より)