Let's Go, MICHIGAN!:琵琶湖クルーズ船の旅

先週の土曜日、わたしは滋賀県の大津港にいました。鳥が羽を広げているような屋根が特徴的な大津港は琵琶湖の南端に位置する港でここから遊覧船が発着しています。向こうに見えている船が今回乗る観光船、ミシガン号です。

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話が少しそれますが、大津港は京阪京津線のびわ湖浜大津駅のすぐ目の前にあります。駅前の人工地盤の上からは路面電車となって駅に向かう京津線の姿がとてもよく見えるので何度も撮影に来ています。4両編成の列車が道路を曲がっていく姿は他では見ることができません。

話を今回の主役、ミシガン号に戻します。ミシガン号は琵琶湖汽船が琵琶湖内で運行する観光船で、1982年に就航しました。名前はもちろんアメリカのミシガン州からとっています。

ミシガン州といえば五大湖のひとつであるミシガン湖のある州。その州都ランシング市と大津市が姉妹都市であることから命名されました。同じ大きな湖を持つ自治体の中心都市ということで結ばれた2つの町ですが、

ランシング市は州の中央部にあり湖に面していません。

ミシシッピ川を航行する蒸気船のようなイメージ。
ミシシッピ川はミシガン州は通りませんが。。。

船は4階建てでビュッフェやカフェも設けられています。時間帯によっては料理を味わいつつ琵琶湖クルーズを楽しむことができます。わたしが乗ったのは15:00発のミシガン60と呼ばれるツアーで食事のないプランでした。

船の中ではスタンプラリーのスタンプも押せます。

今年の本屋大賞を受賞した宮島未奈著「成瀬は天下を取りにいく」は大津市が舞台。同書ではミシガン号に乗る成瀬たちの姿が描かれ、続編の「成瀬は信じた道をいく」では表紙にミシガン号が描かれています。同書が大ヒットしたこともあって乗船客が増加、船内は多くのお客さんで賑わっていました。アメリカ人と思われる観光客もいましたが、どんな気持ちでミシガン号を眺めているんでしょう。

15:00、銅鑼が鳴ると船はゆっくりと大津港を離れていきます。琵琶湖は琵琶湖大橋を境に南湖、北湖と呼ばれますが、ミシガン号はより大津市に近い南湖側のみをクルーズします。ミシガン号の大きな特徴は「外輪船」であること。スクリュー船が主流である現代において、水車型の外輪を使って動く船は珍しく、これが観光の目玉となっています。

船の後方でダイナミックに回る真っ赤な外輪。これが船全体の動力源となっています。

最上階はオープンデッキ。衰えを知らない夏が続きますが、湖を渡る風が気持ちよかったです。帽子が風に飛ばされないように注意。

野洲方面に三上山を望みます。その形から別名近江冨士と呼ばれ、標高は400m程度と低いのですが周囲に遮るものがないためよく目立ちます。

左手の超高層ビルに琵琶湖プリンスホテルが見えます。

全客室から琵琶湖が眺められるランドマーク的存在です。右手はにおの浜のマンション群。先述の「成瀬は天下を取りにいく」の主人公、成瀬あかりはこのマンション群の一角に住んでいます。

船の近くでヨットが演習をしています。近くの柳が崎にヨットハーバーがあるそうで、ヨットスクールも開催されます。

さて、デッキで写真を撮っているうちにショーの時間となりました。ミシガン号ではミシガンパーサーが趣向を凝らしたショーを行って私たちを楽しませてくれます。季節ごとでプログラムは違うそうなので乗るたびに違うショーを楽しめますよ。ミシガン号に乗ったらショーへの参加は欠かせません。

ショーが終わるのとほぼ同時にミシガン号は60分のクルーズを終えて大津港に戻りました。写真を撮っていたことで時間を忘れていたのもありますが、60分がとても短くあっという間だった気がします。

食事なしのクルーズのみであれば60分2400円で楽しめる船旅です。アメリカの大河川を渡っているかのイメージに浸りつつ、普段見ることのできない湖側から見る湖岸の景色を楽しみに、ミズーリ号に乗ってみてはいかがでしょうか。


編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年9月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。