自民党総裁選挙の解説を深田萌絵さんのYouTube番組で二回に分けて解説したのでご覧いただけると幸いである。以下は、そのさわりを私のメルマガに掲載したものを編集したものだ。
今回の総裁選挙は、本来なら前回次点の河野太郎氏を軸に展開のはずだった。しかし、それを阻止したい議員たちが、小泉氏なら河野氏よりましという感じになったので、菅氏も小泉氏に乗った。
河野氏にしてみたら、兵庫県知事問題などでパワハラ体質の人が嫌われる風潮が痛かった。そこで保守派は、小泉氏と同じテイストだが、しっかりしていて保守色も明白な小林鷹之氏をもってきた。
その時点では小林氏で決まりという雰囲気もあったが、慌てた小泉支持者たちは、高市氏が選挙人をそろえられるように協力した。この結果、知名度が低い小林氏が党員・党友投票で上位に来るのが難しくなり、小泉・石破・高市の三つ巴になった。
髙市氏は保守路線でも党員・党友投票ではいいが、議員はまったく支持しないだろう。20人の推薦人に何人上乗せできるかといったところだろう。
その事態を打開できるとすれば、24日に党員・党友票の郵送が終わったら、すぐに穏健路線に転じることだ。もう恥も外聞もないというくらいに方向転回すべきだ。そうしないと小泉氏はおろか、石破氏の方がまだましという議員が多くなりかねない。
たとえば、ある元公立大学教授は、稲田朋美氏の落選運動をやっている。前回の選挙のときに稲田さんが最後に支持に回ったことは非常に高市氏の善戦に非常に貢献したはず。別の作家は週刊誌編集長時代に、創価学会報道を公明党は忘れていないから、彼らの言論は自由だが、彼らが就任後も応援団長のようににふるまえば、政局運営は難しい。
当然のことながら、憲法改正や皇位継承問題でも公明党の協力を得ることも難しくなる。私は石破氏はダメだが、小泉氏と高市氏とどっちがいいと言われたら、本当は高市氏を支持したいが、27日より前に高市氏が方向転換しないと少し困ってしまう。同様の人は多いだろう。議員の支持がないまま党員票で首相になってもあとがとても苦しい。
さて、日曜日段階の見通しだが、小泉・高市・石破が同じようなものだ。ただ、小泉氏がひとつ強いのは、小泉氏の場合、決選投票に残りさえすれば、議員票主体で決まるので勝利することが確実視されていることだ。
このことは、第1回の投票で第4の候補に投票するつもりだった議員、あるいは、陣営に第1回から小泉氏に投票することを持ちかけられることだ。たとえば、ある陣営にポストと引き換えに5票とかもらえることだ。いまその工作をしているはずだ。