経営者の人事の悩みを完全に解決する方法

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ゼロから会社を立ち上げた複数の経営者の話を聞く機会がありました。これまで、会社経営で苦労したこととして共通して語っていたのが、社員の人事管理の難しさでした。

会社の経営がうまくいかなくなって、一斉に社員が辞めてしまった方。マネジメントが厳しすぎて、社員がついてこなくなった方。そんな人に関わる悩みを持つ経営者がほとんどでした。

その話を聞いていて、他人事のように思ってしまいました。私が経営する資産デザイン研究所には社員がおらず、社員管理に関する悩みは一切ないからです。

社員管理で苦労するなら、社員をなくしてしまえば良いのです。そうすれば問題が発生する原因自体がなくなります。

社員がいなくても、仕事は同じように可能です。業務委託や業務提携によって外部の優秀な人材と仕事をすれば良いからです。

実際、資産デザイン研究所でも、複数の外部の会社や個人と契約して仕事を進めています。

プロジェクト毎に仕事を依頼する形になります。経営者と社員という関係より、むしろこちらの方がお互いに緊張感を持って仕事をすることができます。

対価に見合った成果物が出せなければ、業務委託契約は更新されなくなりますし、会社から充分な報酬を支払わなければ、別の会社に人材を取られてしまうだけです。

経営者側から見れば、人事評価や昇進昇格といった社員管理に関わる煩わしい業務がなくなり、仕事そのものに集中することができるメリットがあります。

私の理想の会社は、一般的な価値観とは真逆で、社員が少なく、売り上げの小さい会社はです。

その代わり、粗利の大きな仕事をし、一人当たりの利益を出来る限り大きくする。そして、労働時間を減らすことで時給を最大化する。そんな経営を目指しています。

社員数や売上高を誇っている経営者もいますが、何が目的なのかよくわかりません。

同じ売上なら社員が少ない方が良いですし、売上がいくら多くても利益が少なければ、充分な収益を生まない仕事をしていることになります。

人を抱え込んでやらなくて良い仕事までして疲弊する。そんな経営は何かが間違っているように思います。

人事の悩みを解決する究極の方法は、人ではなくお金に働いてもらうことです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年9月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。