月1000万円以上の医療費の請求が激増:高額医療が健康保険を破壊する

健保連による各健保組合のレセプト(診療報酬明細書)の分析結果が話題になっています。1カ月の医療費の請求が1000万円以上のものが23年度は2156件となり、19年度と比べて2.5倍に激増したことが衝撃をもって受け止められています。

2023年度の健保連の経常収支は1367億円の赤字で、加盟組合の半数以上が赤字となっていますが、後期高齢者の自己負担1割による需要誘発だけでなく、新薬や高額医薬品の導入が財政を圧迫していることが大きな原因となっています。今後も高齢化や新薬の増加で収支が加速度的に悪化する可能性があります。

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わずか2000人で年間4000億円も使っている計算になります。

少子高齢化時代における過剰医療は深刻な問題です。

近年、高額な治療薬が保険適用になっています。

参照:高額な年間480万円のアルツハイマー病治療薬「ドナネマブ」が保険適用に アゴラ

そのために薬価を下げ過ぎられたジェネリック医薬品(後発薬)が品質管理ができずに出荷停止になっています。必要な薬剤が深刻な供給不足に陥っているそうです。

参照:ジェネリック医薬品が深刻な供給不足に:薬価が下がったのは誰のせい? アゴラ

薬価を抑えるためのしわ寄せは抗生物質や麻酔薬などにまで及んでいます。

高額療養費制度も国家を揺るがす制度になりつつあります。これでは全く「保険」の体を成していません。


医学の勝利が国家を滅ぼす

健保連は、増大する医療費や高額な医薬品の普及により財政が圧迫されていると訴えていますが、なぜ制度を変えることはできないのでしょうか。

バケツに穴が開いているのにも関わらず日本人だけでなく外国人も高額療養費制度が利用できるという大盤振る舞いです。

石破政権も社会保障改革を急務としており、高齢者負担の見直しや、後発医薬品の普及が課題とされていますが、肝心な点は自民党総裁選でも焦点になりませんでした。

今まさに国民一人ひとりの意識が問われています・・・。