WindowsユーザーがMacデビュー時に困ること

黒坂岳央です。

2024年10月、新型iMacとMac miniが発表された。M4チップを搭載しており、キーボードとマウスが待望のUSB-C採用となった。ついにMacユーザーは長年のLightningケーブルと決別し、USB-Cケーブルで統一できる時がやってきたのだ。

昨今、Macへの注目度の高まりで長年のWindowsユーザーだった人がMacへ乗り換えるケースをよく見る。その際、Windowsとの違いで思わぬ戸惑いに直面することがある。

筆者は今ではMacを使いこなせるようになったが、Macへ移行した直後は20年以上使ってきたWindowsとの違いに困った事もあった。

1.対応アプリ

Windowsは有料、無料問わず非常にたくさんのアプリが充実している。正直、その気になればやりたいことは何でもカスタマイズ出来てしまう自由度がある。その点、Macは対応アプリがWindowsに比べてかなり限定されているのだ。

その代表的なものがビジネスアプリとゲームである。ビジネスアプリについていえば、多くの企業がWindowsを使っている事情を考慮して開発されているので、Macでは正常動作しないことが少なくない。昨今、クラウド上で起動するソフトも増えたが、かゆいところに手が届くスタンドアローンソフトとなるとWindowsでしか動かないものは少なくない。

ゲーム、Steamについていえば、最近は対応ソフトも少しずつ増えてきたものの依然としてWindows向けに開発されている。ゲームをしたいなら無理にMac対応ソフトを探すより、最初からGPU搭載のWindows機を買うべきだろう。

MacBook Pro apple HPより

2.価格と種類

Macは総じて値段が高めの設定になっている。性能を考えると特別割高ということはなく、どのマシンを買っても基本的に性能不足で買った後に後悔することはない。また、製造元はApple社による独占供給なので筐体の種類はWindowsに比べるとバリエーションに乏しいという欠点がある。

一方でWindowsは2万円前後の激安レベルから、50万円を超えるハイエンドモデルまで山ほどラインナップがある。あまりに激安品の場合は、最低要件を満たさないのに裏技を使って無理やりWindows11にしているものもあり、注意して買わなければ購入後に使い物にならないリスクも混じっている。

購入時は自分で選別する必要があるが、選択肢を持てる点は強い。また、スティックPCやUMPCと呼ばれるゲーミングに特化した超小型PCなど、Macにはない珍しいモデルもある。

たとえば店頭のディスプレイ用途なら、ディスプレイのUSBポートにスティックPCを接続することで、PC筐体を目立たないように映し出すこともできる。

Macのメリット

その他、キーボードの操作性などの違いもあるが、実はそれ以上にメリットはいくつもある。この章ではメリットを列挙したい。

まずはスリープからの起動速度である。Macはセキュリティ設定を調整することで、マジックキーボードのどれかボタンを押すだけで即起動する。ノート型であるMacbookproでもクラムシェルモードでこれが出来てしまうので非常に便利だ。シャットダウン回数も少なくて済む。更にシステムの安定性もMacは抜群にいい。

そして動画編集にも優れる。MacにはFinal Cut Proという使いやすい編集ソフトがあり、しかもサブスクではなく買い切りタイプだ。自分はPremiere ProやDaVinci Resolve、Filmoraなども使っていて、好みにもよるが一番使いやすいのはFinal Cut Proだと感じる。さらにMacはファンレスの薄型ノートでも動画編集は爆速で、4K長時間動画のレンダリングも出来てしまうマシンパワーがある。

最後にセキュリティだ。サイバー攻撃の多くはWindowsがターゲットとなっており、相対的にユーザーが少ないMacは狙われにくい。さらにサードパーティアプリもApple社がチェックしたものに限定されるのでセキュリティはWindowsより安全性が高い。

個人的にはWindowsか?Macか?というより、2台持ちがベストと考える。ゲームやスタンドアロン版ソフトはWindows機を、動画編集やセキュリティを高める操作はMac機を使えばいい。Windowsは28年、Macは7年くらい使っているがどちらが欠けても困ってしまう状態なので、結論は使い分けがいいと考える。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。