【追記あり】第二次トランプ政権の陣容は?:ポンペオ元国務長官の入閣に反発も

2024年米国大統領選で「圧勝」したトランプ氏は、来年1月20日からの第二次トランプ政権に向けて人事に着手し始めています。

政権の中核を担う大統領主席補佐官には、選対本部長のスーザン・ワイルズ氏が据えられました。大統領首席補佐官は日本では官房長官と同等のポストだと言われますが、第一次トランプ政権の際には3回も交代がありました。

日本人が気になるのは、日米同盟に影響がある外交安全保障に影響を及ぼす人事です。ポンペオ元国務長官の入閣も期待されていますが、抑制的な外交政策を望むトランプ氏の息子や人気保守コメンテーターのタッカー・カールソンなどからは反対論が噴出しています。

ネオコンのマイク・ポンペオ氏はトランプ大統領の内閣復帰を目指しているが、トランプ氏が政権を離れている間、ポンペオ氏はウクライナの新興財閥の通信会社の取締役を務めていた。 彼の政権入りは反対派によって阻止されるかもしれない。

-マイク・ポンペオ氏インスタグラムより

わずか2か月前、トランプ大統領がウクライナ和平交渉の必要性を訴えて選挙運動を行っていた一方で、マイク・ポンペオ氏は頑固に戦争の激化を主張していた。ポンペオ氏は戦争を引き起こしたNATOの拡大を主張しており、トランプ大統領の見解とは危険なほどにかけ離れている。

また、ポンペオ氏が日本製鉄の相談役に就任していることも反対派による攻撃の材料として利用されそうです。トランプ氏は日本製鉄によるUSスチールの買収を阻止することを公約として掲げていました。

トランプ氏は国務省の政権移行チームの責任者に対イラン強硬派のブライアン・フック氏が就任しています。米国の外交政策を形成する閣僚だけではなく、次官またはそれより低位の人事も今後固まっていくことが予測されます。

元米国イラン特使で、現在はトランプ次期大統領から国務省の政権移行チームを率いるよう指名されたブライアン・フック氏は、トランプ氏が1月に就任すれば、イスラエルとパレスチナの紛争に対する政権の「世紀の取引」和平案(パレスチナの非武装国家、イスラエルの治安管理、パレスチナ難民の帰還権の禁止を要求)が議題に再び上がる可能性が高いと示唆している。 フック氏はまた、元上司はテヘランの「政権交代には興味がない」が、イランを孤立させ弱体化させようとしているとも付け加えた。

トランプ政権が引き起こした「貿易戦争」の中心にいたライトハイザー氏の復帰が見込まれています。

第二次トランプ政権は中国に対して今まで以上に厳しい姿勢で臨む可能性があります。コルビー元国防次官補代理が政権入りすれば、日本に対する防衛費増強の圧力も相当なものとなることが考えられます。

元駐日大使のハガティ氏も閣僚候補の筆頭と見られています。トランプ氏はどのような「チーム」を組むのでしょうか?

【追記】ポンペオ氏とニッキー・ヘイリー氏は入閣しないとの発表がトランプ氏自身からありました。