これまで、結婚相談所は結婚適齢期を過ぎた人が入会するものという印象が強かったと思います。しかし、近年の婚活ブームにより、結婚相談所はより身近なものになりました。
一般的に、婚活は男性より女性が積極的であると言われています。女性はスイッチが入ると、あらゆる婚活の場に顔を出し、積極的に活動しているのです。結婚相談所の成婚率は5%程度と言われています。この狭き門を突破し、成功する秘訣は何でしょうか。
価格と内容を精査せよ
結婚相手を紹介するために、全国には多くの結婚相談所が存在しますが、現在はIBJ(東京都新宿区)に全国の相談所が加盟しています。2020年6月には、業界大手のZWEI(ツヴァイ)が「株式売渡請求」によりIBJの完全子会社となりました。
IBJに参加した各相談所が使用するデータは共通です。同じデータをもとにマッチングを行いますが、提供する金額は統一されていません。つまり、同じデータを使用しているにもかかわらず、提供されるサービスの金額はバラバラなのです。
高額なサービスを提供する結婚相談所はカウンセラーの質が高いことを理由に掲げます。しかし、カウンセラーのスキルによって成婚率がアップすることはまれです。適切なサービスを提供することで成婚率がアップするものではないからです。
「当社の会員は上場会社の社員が8割」「当社の会員は年収1000万円以上が50%以上」などの過剰な広報を展開する相談所があります。しかし、上場企業の社員だから結婚できるわけではありません。
カウンセラーの中には有能な方もいます。しかし、そうでない方も大勢います。そのため、カウンセラーが引き起こす“事故”も少なくありません。
いつの間にか終了フェーズに
お見合いをした際の双方の印象が良ければ、交際フェーズに移行します。しかし、交際フェーズに移行しても人数制限があるわけではありません。つまり、何人と同時にお付き合いしても構わないのです。
通常、交際期間は3カ月です。3カ月で、成婚するか否かの意思決定をしなければなりません。双方の相談所が合意するなどの特別な事情があれば、6カ月まで延ばすことはできますが、禁止事項が多く進展させるのは簡単ではありません。
カウンセラーが悪質な場合、双方の同意なく交際終了になる場合があります。交際終了になった場合、その後、相手と連絡を取ることは禁止事項ですから、事実が明るみに出ることはありません。
以前、このようなことがありました。東京在住の聖子さん(仮名)、福岡在住の慎太郎さん(同)の2人は遠距離で交際フェーズに移行していました。
2人は日曜日の夕方に会うことになっていました。無事に待ち合わせをして、約束のレストランで食事をしているときに、大輔さんのスマホに担当のカウンセラーから、「聖子さんとの交際終了」の連絡が届きました。調査したところ、次のことが分かりました。
実は、聖子さんには慎太郎さん以外の交際相手がいました。先方の相談所としてはその方をメインにして考えたいので一方的に終了させてしまったのです。驚くかもしれませんが、これはよくあるケースです。当然、謝罪なども一切ありません。
情報に惑わされないこと
相談所も企業である以上は利益を上げなくてはいけません。「この会員は金にならない(お見合いの申し込みがない、結婚する意欲が感じられない…)と思われたら、何があっても不思議ではないのです。
カウンセラーも毎月、ノルマや数字を負わされています。あなたもそのコマの一つにすぎないことを覚えていた方がいいでしょう。もちろん、優秀で親切なカウンセラーもいますが、数は圧倒的に少ないと思います。
くだらない情報に惑わされることなく、良い部分、悪い部分の双方に目を向けるようにしてください。
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
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