上野千鶴子氏『私たち団塊の世代は物わかりのよい老人にはならない』発言に現役世代から批判殺到

上野千鶴子氏が「上野千鶴子さん「若い世代は親の介護から学ぶことが大事」 自分の老後前に備えるべきこと」というインタビューでの発言が物議を醸しています。とくに「私たち団塊の世代は物わかりのよい老人にはなりません」という一節は、多くの読者から反感を買い、世代間の断絶を象徴するような表現だと批判されています。

参照:上野千鶴子さん「若い世代は親の介護から学ぶことが大事」 自分の老後前に備えるべきこと  AERA dot. (アエラドット)

上野氏の発言は、介護保険制度の歴史的意義や、現行制度が直面する危機についての重要な指摘を含むものの、この一文は別の意味で注目を集めました。

とくに「暮らしを管理されたくない」「老人ホームに入りたくない」などとする上野氏の価値観は、個人の自由を重視する立場を強調しているます。しかし、この主張は多くの人々に「自分たちだけの自由を主張し、若い世代への負担を軽視している」という印象を与えてしまいました。

上野千鶴子氏

「物わかりのよい老人にはならない」という断定的な表現は、他世代との対話を拒否しているように受け取られかねません。現状でも若年世代は、親世代の介護や高齢者支援に大きな負担を抱えており、団塊の世代がこれ以上の負担を拒否する姿勢を示すことに苛立ちを覚える声が上がっています。

上野氏は介護保険の重要性を強調していますが、その恩恵を受ける側としての自覚が欠けていると指摘さています。介護は制度だけではなく、現場の努力と若い世代の犠牲の上に成り立っています。それを無視したような発言は、介護従事者や家族介護者に失望を与えてしまいます。

自らが築いた介護保険制度に対して恩恵を受ける一方で、その維持のために必要な協力を拒むように見える姿勢は、自己中心的で無責任との批判もあります。

日本で最も著名な社会学者である上野氏は「不利なデータは隠すべきだ」との考えをかつて示していました。学者としての矜持はないのでしょうか。

上野氏の発言は「現役世代に介護を押し付ける率直な態度」と評価される一方、「若者に親の介護を学べと言いつつ、自らは家族の言いなりにならない」という矛盾点も批判されています。また、彼女の発言が意図的に反感を呼び、注目や利益を得る構図ではないかとの指摘もあります。

今回の上野氏の発言は、団塊の世代を代表していると受け取られる可能性が高いだけに、その内容と表現には慎重さが求められたのではないでしょうか。

「物わかりのよい老人」になる是非はともかく、現行制度が現役世代の負担の上に成り立っていることを改めて考えるべきタイミングかもしれません。