やはり不可解な三菱UFJ銀行の対応!モラルハザードの顛末

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本稿の前に、「預金引き出し不能!三菱UFJ銀行の不合理な手続き対応を問う」もお読みいただきたい。いま、銀行内で何が起きているのか様子がわかるはずである。

預金引き出し不能!三菱UFJ銀行の不合理な手続き対応を問う
実母が入院しました。高齢であるため、入院が長引く可能性があります。年金や地代が振り込まれているため、預金を下ろすように依頼されました。 通常、銀行で代理人が預金を下ろすには、以下の手順が一般的です。 身分証明書の提示...

モラルハザードの顛末は?

三菱UFJ銀行のHPには次のような記載がある。

Q.家族等の名義の預金について手続きをする際には、一般的に何が必要ですか?

A.一般的にはご名義人の通帳、お届印、委任状、ご名義人および来店者の有効期限内のご本人さま確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)が必要となります。お手続き内容によっては承れない場合や、お持ちいただく書類等が異なる場合がありますので、詳細につきましてはお取引店までお問い合わせください。

私に不備は見当たらない。しかし銀行は手続きを拒否した。そのことに問題があるのである。

銀行は「本人確認」の必要性を強く求めてきた。

【実際の音声:本人確認】

※ すでに同様のやり取りを何回かしている。

「では、母が入院している病院に連絡してください。必要なヒアリングをしてください」と伝えたが、「それはできない」と言われた。「本人確認のために銀行の誰かが訪問して面接でも行うのですか?」と聞いたところ、それもできないとのこと。

本人以外では預金を下ろせないという一点張りで、解決策も示されず、堂々巡りで数時間を費やした。

【実際の音声:どの規約に基づいているのか】

※ すでに同様のやり取りを何回かしている。

銀行が取引に応じないので、どの規約に基づいているのか確認をしたが明瞭な回答がない。

あまりに酷い対応であったことから録音をしていた内容の一部を公開する。年末の忙しい時に、かなりの時間を費やしてしまった。これは、もはや喜劇である。

翌日、夫(父親)が窓口に行く。100万円を下ろそうとしたところ、次の質問があった。

銀行員A:何にお使いですか?

銀行員B:「本人確認」がありませんので!!

父は84歳だが、一昨年まで社団法人代表の職責にあり、年齢の割には頭脳明晰である。しかし、散々な扱いだった。本店に連絡してクレームを伝えたところ、下ろすことができた。100万円を下ろすのに2日かかったのである。もはや銀行の機能を有していない。

ネットバンキングの問題も発生している。私は同行のネットバンキングを登録しているが、12月23日以降、改悪されている。10万円を超す振り込みができないというのである。10万円で制限が掛かるのならもはや銀行とはいえないだろう。口座のすべての取引を他銀行に移行させるつもりである。

※10万円超えの振込ができないとの表示。

信頼を揺るがす銀行

「本人確認」を連呼する三菱UFJ銀行ではあるが、40代の女性行員が貸金庫から顧客の金品を盗んだ件について、何ら情報を公開していない。銀行は預かり知らないことで無関係だとでも言いたいのだろうか。進展が見られない状況に強い違和感を覚える。

先月の半沢淳一頭取の会見では「信頼・信用という銀行ビジネスの根幹を揺るがすものだと厳粛に受け止めている。皆さまに心よりおわび申し上げる」と記者会見で謝罪したが、未だに行員の名前は公表されず逮捕や立件にも至っていない。

都市銀行においても管理職ともなると上級国民であり、各方面からの便宜がはかられるようである。私は10年ほど前、貸金庫で100万円の札束が無くなったことがある。下ろした翌日だから間違いはない。当時は、銀行も警察も信じようとしなかった。しかし、今回の事件が露呈したことで、有りうる事件であることが証明された。

貸金庫を運用している銀行は今回の事件の報を受けて、実態調査を行い利用者に報告すべきではないか。私は、同様の事案が隠されていると確信している。逆に何も嫌疑が無いのなら、その結果をもって正々堂々と営業を続ければいい。

今回の貸金庫事件、他行がまったく声明を発していないことが気になる。やぶ蛇になるからだろうか?

(コラムニスト、著述家 尾藤克之)

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