建設コスト高騰がもたらす郊外マンションの「縮小化」でステルス値上げも限界か?

東京郊外のマンション市場では、「部屋の広さ」を売りにしてきた物件が変化を見せています。埼玉県などの新築マンションの平均専有面積は10年前と比べ約1割縮小し、東京23区と同水準になりました。建設コスト上昇の影響が大きくなっています。

郊外マンション、10年で1割狭く 専有面積が都心並みに 日経新聞

たとえば埼玉県川口市で建設中の「ローレルコート川口レジデンス」は平均専有面積69.7㎡と広さを抑えていますが、価格は7000万円台が主流で、販売は苦戦しているとのことです。

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2002年における東京23区新築マンションの平均専有面積は80平米を超えていましたが、2023年には60平米台と、都心はすでに大幅に縮小をしていました。

首都圏全体で新築マンションの専有面積が縮小傾向にあり、東京都下や埼玉県、神奈川県では10年前に比べ約9〜10%縮小しているそうです。おまけに階高まで抑えているとか。

価格は資材や人件費の高騰により、埼玉県で32%、神奈川県で45%上昇していますが、価格高騰に伴う販売の停滞も目立っています。

郊外では建設コストの影響を受けやすく、面積を減らして価格を抑える傾向が広がっています。共用設備の充実で狭さを補う工夫も進んでいますが、分譲マンションの値上げ傾向は無視できない状況です。

およそ20年にわたる価格上昇の中で、グロス(販売総額)を上げないための、マンションデベロッパーの企業努力は報われるのでしょうか。

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購入者には発想の転換が求められています。