アメリカでは昨年からTikTokを巡る議論が白熱しています。日本ではいまいち大ニュースになっていないこの件ですが、2024年12月10日にシリーズ最新作『世界のニュースを日本人は何も知らない6』が発売されましたが、このシリーズでは、すでに数年前からTikTokの危険性について取り上げています。
数年前からTikTokは北米と欧州、オセアニアでは、中国共産党がその背後にある国策企業でありユーザーのデータが北京にあるオフィスに送信されており エンジニアが中身を自由に見ることができた、 ということがアメリカ議会の公聴会で証言されています。
この公聴会はYouTubeでも公開されており全世界の人が見ることができるのですが、なぜか日本のマスコミはほとんど取り上げなかったのです。
この事実が分かったのは第三者機関として監査に入っていた監査法人との会議の音声が外部に流出したからです。
したがってアメリカ政府のでっち上げではないのです。
またアルゴリズムを操作することにより特に若年ユーザーに対してかなり危険なメッセージを発信しているということが大問題になってきたのです。
例えば自殺やリストカットなどの自害行為を進める動画が連続して出てくるため、子供が実際に自殺してしまった例があります。
さらにTikTokでは韓国発の「ムクバン」動画が大量に流れることも大問題なっています。「ムクバン」とは食べ物を大量に食べて動画を配信する活動のことですが、TikTokでは莫大な量のパスタやピザなどを食べる配信者が人気で、真似した子供や青少年が鬱病や摂食障害になる例が大問題になっています。
しかも配信者の中にはWaffler69ことTaylor LeJeuneさんの様に死亡する例まででてきています。
TikTokはこのように意図的に子供や若い人たちにミスインフォメーションや大変危険な行動を促す動画を流すアルゴリズムが組み込まれているのです。
さらに最近の問題としてはTikTok上では北米や欧州に密入国するルートや手法を説明する動画が大量に流されているのです。
こういった動画と共に先進国の豊かな生活を紹介するインフルエンサーが登場し、これが店難民や不法移民が大量に押し寄せる原因になっているのです。
その上TikTokでは中国に対して有利になるような動画が流されており、例えば日本に対して悪いイメージを植え付けるものも流れているのです。正直言ってTikTokは中国のプロパガンダの道具です。
ところがなぜか日本政府はTikTokの有害性について国会で議論することもなく、日本のマスコミはまるで中国に忖度するように他の先進国で普通に議論されている問題を全く取り上げてこなかったのです。日本では国会議員や官庁がTikTokを使っている始末です。
書籍でもTikTokの問題を取り上げているのは私の本やごく少数の著者です。
私のような著者は中国と利害関係がありませんので忖度する必要が全くないので他の国での事例を紹介することができるのです。
この様な流れを受け、アメリカ政府が昨年制定し、1月19日発効予定の法律では、TikTokの親会社のByteDance(字節跳動)が米国での事業を期限内に売却するか、米国でのサービス停止を求めています。
トランプ氏はTikTokに対して反対的な立場でしたが、問題を解決するのに時間が欲しいので、昨年12月下旬に自身が大統領に就任するまで発効を見合わせるよう求めています。
アメリカ司法省は、問題を慎重に検討すべきで、このトランプ大統領の延期要求を拒否するべきだと連邦最高裁に提案中で、状況が流動的です。
しかしアメリカの保守系はTikTokに相変わらず反対しています。中国とロシアによるプロパガンダや偽難民による内政の悪化に悩んでいる欧州諸国もアメリカに続いて何らかのアクションを起こすことになる可能性が高いです。
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