2%を超えるインフレが続いているのに日銀はなぜ金利を上げないのか?

チャットGPTにきいてみた。

Q. 2%を超えるインフレが3年も続き、政府は「物価高対策」に何兆円も使っているのに、日銀はなぜ政策金利を上げないのですか?

GPT:日本においてインフレ率2%が必要とされる理由は、経済の安定と持続的な成長を目指す政策目標に基づいています。以下のような主な理由があります。

1. デフレ脱却:日本は長期間デフレに苦しんでおり、物価が下がり続けることで消費や投資の停滞が生じました。インフレ率2%は、物価の適度な上昇を通じて、こうしたデフレの悪循環を断ち切る目標として設定されています。

2.実質金利の調整(糊代):実質金利がゼロより低い場合は、名目金利の下限がゼロなので金融政策がききません。インフレ率がある程度高い(例えば2%)と、実質金利がマイナスでも名目金利がプラスになるので、それを下げることによって投資を促進する「糊代」になります。

3. 債務の実質的軽減:インフレは、実質的に債務の価値を軽減する効果があります。特に、日本のように政府債務が多い国では、インフレ率2%が維持されることで実質的な公的債務の負担が軽減され、日銀の保有資産の価値も維持されます。

Q. でも今はインフレなんだから「デフレ脱却」の必要はないでしょ?

その通りです。現在、日本はデフレではなくインフレ状態にあります。物価上昇率が2%を超える水準で推移しており、特にエネルギー価格や食品価格の上昇が影響しています。しかし、日本が「インフレ率2%」を政策目標として掲げ続ける背景には、単なる現状の物価動向だけでなく、経済全体の基調的な課題が関係しています。

1.現在のインフレの性質:今の日本のインフレはコストプッシュ型です。原材料やエネルギーの輸入価格上昇(円安や国際市場の影響)により、コストが増加した結果の物価上昇です。このタイプのインフレは一時的で、企業の負担が増加し、賃金の伸びが追いつかない場合、消費が冷え込むリスクがあります。

2.持続的インフレ率が弱い:賃金上昇や内需の強さに基づく「需要の増加」が支えるインフレ(需要プル型インフレ)とは異なり、現状の物価上昇は一時的な外的要因に依存している可能性があります。こうした場合、エネルギー価格が安定すればインフレ率が再び低下する可能性もあります。

Q. 「糊代」というのも日銀の都合ですね。ゼロ金利でも財政政策はきくのだから、日銀だけで総需要を調整する必要はないでしょう。

GPT:その通りです。実質金利の調整(いわゆる「糊代」)を重視するのは、金融政策運営の観点から日銀の都合が大きいと言えます。しかし、総需要の調整を金融政策だけに依存する必要はなく、財政政策や構造改革を組み合わせるべきとの意見も非常に重要です。

Q. 「持続的インフレ」は日銀の目標ではありません。政府・日銀の共同声明では「持続的な経済成長の実現のために消費者物価の前年比上昇率で2%とする」と目標を設定しています。持続が必要なのは経済成長であってインフレではありません。

GPT:おっしゃる通りです。2013年の政府と日銀の共同声明における目標は持続的な経済成長であり、それを実現する手段として「消費者物価の前年比上昇率2%」が設定されています。したがって、持続可能性が求められているのは経済成長であり、インフレそのものが持続的である必要はありません。

Q. インフレ目標の2%という数字には、どんな理論的根拠があるんですか?

GPT:理論的根拠はありません。2%という目標は、各国の中央銀行が共通して採用する数値ですが、これは経済理論ではなく、歴史的経緯や政策的判断に基づく実務的な目安です。2%という数字が「最適」であるという理論は存在しませんが、中央銀行がインフレ率2%を目標に掲げることで、市場参加者がその範囲内でインフレ期待を形成し、経済活動が予測可能になります。

2%目標への批判も存在します。各国の経済状況が異なるにもかかわらず、一律に2%を目標とするのは合理的ではないとの指摘があります。高齢化や技術革新によるデフレ圧力が強い国(例:日本)では、2%目標が不必要に高すぎる可能性があります。賃金上昇が伴わないインフレが起きた場合、家計負担が増え、消費が減少するリスクもあります。

Q. インフレ目標のようなアドホックな基準ではなく、中立金利(名目均衡利子率)のような理論的根拠のある基準で金融操作をしたほうがいいのでは?

GPT:中立金利(名目均衡利子率)を基準にした金融政策は、確かに理論的には非常に魅力的な考え方です。中立金利は、経済が完全雇用の状態で成長し、物価が安定する際の実質利子率(またはそれに基づく名目利子率)を指します。この基準を使えば、金融政策が景気を「過剰に刺激」したり「過剰に抑制」したりすることを防ぐことができると考えられます。

1. 中立金利のメリット

  • 理論的な明確性:中立金利は経済学の理論に基づいており、金融政策の「中立的な立場」を定量的に示します。これを基準にすれば、金融政策が「緩和的」か「引き締め的」かを明確に判断できます。
  • 過剰な金融政策の防止:インフレ目標のような「数値に固執した政策」ではなく、経済の実際の状況に応じた柔軟な操作が可能です。経済が中立金利以上の金利で動いている場合は景気抑制、中立金利未満の場合は景気刺激と、理論的に正しい政策運営ができます。
  • 不確実性の低減:中立金利が適切に推定されていれば、金融政策が予測可能になり、企業や消費者の経済活動を安定化させる効果が期待できます。

2. 日本における中立金利基準のメリットと課題

  • 金融調節の柔軟性:需要減退を正確に反映するためには、中立金利のような理論的な基準が役立ちます。日本では自然利子率がマイナスでも名目中立金利はプラスになることが多いので、柔軟な調整が可能です。
  • 計測が困難:中立金利は観測可能なデータではなく、理論モデルを使った推計に依存します。日本のように少子高齢化や低成長が進む経済では、自然利子率(実質中立金利)がマイナス近辺になる可能性もあり、推計がさらに困難です。
  • 頻繁な調節が必要:中立金利の推計は、経済環境(成長率、人口動態、貯蓄率、投資率など)の変化に応じて頻繁に修正が必要ですが、こうした統計は最短でも四半期ごとに修正されるので調整が遅れると金融政策が実体経済と乖離し、逆効果を生むリスクがあります。

現時点では、インフレ目標と中立金利基準のハイブリッドなアプローチを取ることが現実的な解決策かもしれません。例えば、インフレ目標を参考にしながら、中立金利の推定値を政策運営の補助指標として活用する形が考えられます。

・・・というわけで、チャットGPTは硬直的なインフレ目標には批判的で、中立金利とのハイブリッド・アプローチを推奨している。