東京女子医大・岩本絹子元理事長が逮捕:卒業生の告発からの捜査という闇の深さ

東京女子医科大学元理事長・岩本絹子容疑者(78)が、大学の施設工事を巡る背任容疑で逮捕されました。同大学では、不透明な資金の流れや経営の混乱が長期化していました。

捜査によると、建築士に支払われた報酬の一部が現金として岩本元理事長に渡っていた疑いがあります。岩本元理事長は、建築士への報酬を通じて大学に約1億以上の損害を与えたとされています。

2023年3月、卒業生らが女子医大の不透明な資金流れを警視庁に告発しました。2024年3月、警視庁は約2000万円の給与不正受領疑惑で大学本部や岩本元理事長を家宅捜索しました。それ以前に内部告発を行った職員2人は、岩本元理事長の報復人事によって懲戒解雇になっているそうです。

東京女子医大 Wikipediaより

昨年、東京女子医科大学は推薦入試での寄付金疑惑を受け、第三者委員会を設置しました。2024年8月の調査報告で、大学資金が岩本元理事長に還流していたと指摘され、同容疑者は全役職を解任されました。

大学の内部調査でも、不透明な資金の流れやガバナンスの不備が指摘され、第三者委員会は岩本元理事長の独裁体制を問題視しました。

岩本元理事長は平成31年に理事長に就任し、経営改革を推進しましたが、過剰なコスト削減が医療現場に影響を及ぼし、1000人もの人材流出を招いたと言われています。

岩本絹子元理事長 東京女子医大YouTubeより

一方、自身や親しい人物には多額の資金を投入していたとされています。内部告発や報道により、不適切な支出や架空契約の実態が明らかになり、警視庁が調査を進めていました。

岩本元理事長は、大学内で「女帝」と呼ばれ、問題の責任を追及する声を抑え込んできたとされています。

関係者らは東京女子医大の再建に期待を寄せていますが、一連の事件は元理事長だけで済む問題なのでしょうか。