黒坂岳央です。
人生を生きていれば誰しも落ち込むことがある。それ自体は珍しくないが、気をつけるべきは「落ち込んだ時に衝動的にやらない方が良いこと」をやってしまうことである。
特に対人関係において、言うべきでない発言をすると取り返しが付かないこともある。筆者は若い頃、何度も失敗してきた。
アンガーマネジメントや心理学を学び、現在は明確に切り分けることができるようになった。理由とともに取り上げたい。
考えない
まずやるべきでないことは考えないことだ。「落ち込んだらそこから脱するためにまずはしっかり考えないとダメでは?」と考えがちだが、正直いって気分が落ち込んでいる時にあれこれ考えても、ロクなアイデアが出てこない。
極端に考えて、投げやりで価値ある何かを放り投げる決断をやりがちだ。しかし、翌朝冷静な頭で考え直すとそもそも、大して悩む価値もなかった、ということは少なくない。
人間の気分はホルモンでほぼ決まり、気分が思考を作り、思考が行動になり、そして行動が結果を作る。つまり、起点となる気分が悪ければロクな結果にならないことは明白。
であるなら、気分がすぐれない時は考えても時間の無駄どころか、下手すると後悔するような意思決定になる事が多い。
ではやることはなにか?それは寝ることだ。寝てしまって翌朝スッキリした頭でもう一度問題に向き合ってみる。朝の頭なら現実的で冷静な判断ができるものである。
人に連絡しない
そして落ち込んでいる最中、少なくとも夜間は人に連絡しないほうが良い。自分はこれで何度も失敗をして後悔をしてきたし、現在は逆に他者の失敗を見る。
ネガティブ思考に染まっている時に人に聞いてもらおうと連絡をすると、失敗する確率が非常に高い。傾聴の姿勢が見えた相手に怒涛の勢いで不満をぶちまけてしまうと、相手はこちらとの信頼関係があまりないのに不満をぶつけられたと人間関係を悪化させる。
先日、あまりプライベートな話ができるような信頼関係がない相手から突然、激情的な悩みの連絡が届いて困ってしまったことがあった。もちろん、悩みにはできるだけ力になりたいという考えは持っているわけだが、非常に重い話をされると困ってしまう。
相手からのメッセージの送信時間を見てみると真夜中、おそらく現在進行系で悩んで衝動的にそのまま送ってしまったものと推測できる。
人は悩みを一秒でも早く解消したいと考えるのだが、その不快感を取り除くことにあまりにも意識が向いて、連絡をする相手側がどう感じるかに配慮しない連絡をしがちである。
悩みが生まれた時は連絡を控え、やはり朝に改めて熟考するべきだろう。筆者は重い話を妻とする時には絶対に夜を避けて、朝話すように決めている。
意思決定や行動をしない
上述した通り、落ち込んでいる時はロクなことを考えないので絶対に意思決定や行動はしない方がいい。
気分が落ち込んでそのまま退職の手続きをしたり、SNSで何らかの決意表明をしたり、データやアカウントを削除するといったものだ。
特に真夜中はネガティブになりやすく、日中はポジティブに考える人でも心に闇を落としやすい。そのまま行動すると後悔を呼ぶ可能性も高い。
そこで悩んだら決めない、行動しないというルールを設けるのだ。
解決法:散歩に出かける
では悩んだらどうすればいいか?やることはシンプル、散歩に出かければいい。
特に鳥のさえずりが聞こえる早朝に木々の自然を歩く。これで悩みの半分以上は自然に解消されてしまう。悩んで落ち込んだ気分を一気に上向く効果があるのだ。騙されたと思って一度試してほしい。
散歩をすると脳内でエンドルフィンやセロトニンといった「幸福ホルモン」が分泌され、気分を改善します。人間の気分がしょせんホルモンで決まるので、幸せホルモンで半ば強制的に明るい気分へ変えてしまうのだ(実際に変わる)。
また、散歩中に日光に当たることで、ビタミンDの生成が促進され、歩行のようなリズム運動で心が落ち着き、自律神経のバランスが整いストレスが軽減。 緑や自然に触れるリラックス効果は誰もが肌感覚で実感するはずだ。
散歩を終えて改めて問題に向き合う時には、小さなことはどうでもよくなっており、本質的な問題に対して突飛で感情的なアプローチではなく、冷静で合理的な判断の元で結論を出すことができるだろう。
◇
悩んでいる時は思考や意思決定の質が著しく低下する。このことをしっかり理解していれば、いざ落ち込む段階になった時に衝動的にやらかして後悔することを避けられる。大事なのは事前に「落ち込んだ時にやらないことリスト」としてプランニングしておくことだ。
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