ウクライナのゼレンスキー大統領は15日、ドイツで開催中のミュンヘン安全保障会議で演説し、トランプ米政権が欧州防衛への関与を弱める可能性を踏まえ、「欧州軍」の創設を提案しました。「欧州と米国の関係は変化した。欧州軍を創設し、自らの未来を決めるべきだ」と強調し、トランプ米大統領がプーチン露大統領と会談すれば「危険だ」と警告しました。また、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟の必要性を訴えました。
ゼレンスキー氏、ミュンヘンで演説+。要旨。
-NATOとは別に「欧州軍」の創設を提唱
-ウ=欧州抜きのウ=欧州に関する交渉は認めぬ
-プーチンは米との1on1を望んでいる
-米抜きの安全の保障は信じられぬ
-欧州が強くなければ米は振り向かぬ
-2025年にウに平和をもたらすのが計画https://t.co/NB9Nynyq7a— Gakushi Fujiwara / 藤原学思 (@fujiwara_g1) February 15, 2025
一方、トランプ大統領は13日、ホワイトハウスで記者団に対し、中国およびロシアに軍事費削減や核軍縮を働き掛ける方針を明らかにしました。ウクライナ戦争や中東情勢が落ち着けば、ロシア・中国の首脳と会談し、「軍事予算を半減させる」と提案する考えを示しました。また、ロシアをG8に復帰させるべきだと主張し「G8からの除外は誤りだった」と述べました。
最近、トランプ氏のチェンバレン化がすごい勢いで進行している。このままだとロシアから空約束を掴まさられるのでは…。 https://t.co/rKDB3kKPaQ
— ぐり@関賢太郎 航空軍事記者 (@gripen_ng) February 14, 2025
トランプがゼレンスキーの頭越しにプーチンと手打ち。米軍が手を引いたら、クリミアみたいになるだろう。
ゼレンスキー大統領、欧州軍の創設提言 ミュンヘン安全保障会議(毎日新聞)#Yahooニュースhttps://t.co/y1jk6dlfQk
— 池田信夫 (@ikedanob) February 15, 2025
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ゼレンスキー大統領とトランプ大統領 両大統領SNSより
ゼレンスキー大統領は演説で「和平合意はミュンヘンで署名されるべきではない。ここで何が署名されたのかを覚えており、同じ過ちを繰り返さない」と述べました。
トランプ大統領がプーチン大統領と交渉しても戦争が終結するとは限らず、むしろ継続する可能性が高まる恐れがあります。
動画の最後ではトランプのプーチンとの交渉で戦争が終わるとは限らず、むしろ戦争が続く可能性が示唆されています。
私もウクライナという国家の主権と独立を尊重しないプーチン政権が存続する限り、万が一戦闘を一時停止できても根本的な解決に至らず、戦争再発のリスクは非常に高いと考えます。1/ https://t.co/7wGCSjMMVB— 武内和人/Takeuchi Kazuto (@Kazuto_Takeuchi) February 15, 2025
民主主義陣営がロシアに譲歩すれば、深刻な事態を招く可能性も指摘されています。
「過ちは繰り返せない。いま民主主義陣営ができることは三つある。一つは、ロシアに屈しないこと。二つめは親欧のウクライナ中西部を守り、戦後復興に全面協力すること。三つめは対ロシア制裁の継続だ。力を信奉するロシアに甘い顔を見せれば取り返しがつかない」https://t.co/WXtJcZajR8
— 国末憲人 Kunisue Norito (@KunisueNorito) February 15, 2025
現時点でNATOからアメリカが撤退すれば、欧州の地位が低下してしまうことも憂慮されます。
これでNATOからアメリカが撤退して「欧州軍」をつくるとなると、戦争やら貧乏やらで欧州は没落かな。 https://t.co/xlEasWPjUC
— 池田信夫 (@ikedanob) February 15, 2025
ロシアが交渉に応じなかった場合、米軍派兵も選択肢に含まれるとの報道がありましたが、ヴァンス副大統領はこれを明確に否定しました。米国の軍事的関与の可能性は低いと考えられます。
ロシアが交渉に応じなかったら米軍派兵も選択肢とヴァンスが言ったような感じでWSJが記事を書いて、なんか一部の人たちが喜んでいたが、本人が明確に否定。ある意味で、WSJのフェイクニュースで、もう米国は何もしないことをこれ以上なく言ってしまわれた。 https://t.co/4UpzSNpUB5
— Kazuki Fujisawa (@kazu_fujisawa) February 15, 2025
トランプ大統領は外交を損得で判断するため、「ロシアを抑え込むために多少の損失を受け入れる」といった考えは期待できません。短期的な利益を重視する傾向が強く、長期的なリスクを見据えた対応は難しいかもしれません。
トランプは損得で外交を考える。損してもロシア抑える、みたいな判断は期待できない。
この損得計算はビジネス感覚で、例えば「いま眼前の侵略を容認すると将来的にたいへんな損失に繋がる」的な視点はないです https://t.co/rQZ3U1OX1z— 黒井文太郎 (@BUNKUROI) February 14, 2025
ロシアにしても、仮にウクライナ戦争で優勢となり停戦したとしても、戦後の国家運営は厳しい状況に直面します。中国の経済支援や北朝鮮の軍事支援なしでは、持続可能な体制の維持は難しいと考えられます。
しかし仮にロシアの事実上の「勝利」でウクライナ戦争が停戦したとして、ロシアは戦後まともに国家を運営して行けるのだろうか?
クリミアからルハンシクまでの領土は得るかも知れないが、そのために80万人近い死傷者を出し、陸軍の機甲戦力は消耗し尽くした。…— MASA(航空宇宙・軍事) (@masa_0083) February 14, 2025
ミュンヘン会談は、1938年にチェコスロバキアのズデーテン地方の帰属問題を巡り、ドイツのミュンヘンで開催されました。会談にはイギリス、フランス、イタリア、ドイツの首脳が出席しました。ドイツ系住民が多いズデーテン地方の併合を求めるアドルフ・ヒトラーに対し、イギリスとフランスは、これ以上の領土要求を行わないことを条件にヒトラーの要求を受け入れ、合意しました。しかし、英仏の意図とは異なり、ドイツのさらなる膨張を助長し第二次世界大戦の勃発を招きました。