トランプとゼレンスキーの会談決裂について、欧州の首脳たちはゼレンスキーの肩を持っているが、文句あるなら停戦後のウクライナの安全保障について、ロシアもなんとか納得するような具体案を示すべきだ。
一部にはヴァンスが余計なこと言ったとかいうが、果たして記者会見が無事に終わったとしてもハノイでの金正恩とトランプ決裂と同じになっただろう。
協定にサインしたら米国はウクライナを守ってくれるのかと無理な要求をしても、トランプが当然に言質を与えるはずないし、そのときに、ゼレンスキーが黙ってサインしたとは、ヴァンスに対する対応を見ても思えない。
トランプは資源についての協定を結べば、プーチンもアメリカの利権があるところを攻撃しにくくなるということしか言ってない。満鉄にハリマンの出資をみとめとけばロシアや中国に邪魔されにくいだろうと言った程度の話だ。
だいたい、最終的な安全の保証がないかぎり停戦はいやだというのはアメリカも困るわけで、李承晩の要求を入れたら朝鮮戦争の休戦だって無理だった。ゼレンスキーが軌道修正しない限り、和平の話は実質的には入れないほうがいい。
まずは、停戦すべきだが、恒久的にはウクライナの安全確保は、それこそマクロン大統領を始め、ヨーロッパの首脳たちがトランプと話し合った方がいい。EUのことに米国は介入できない。
非武装地帯つくって、そこに欧米の負担で中立国のPKO部隊いれるあたりか。日本も参加を考えていいと思う。NATOに加盟するのは、ロシアが認めるわけない。キューバどころか、カナダやメキシコが中国やロシアと軍事同盟結んだら、合法的に結ばれたものであってもアメリカは同意するとも思えない。
EUは、ウクライナだけでなく、ほかの旧ソ連の国々との関係をロシアにもメリットがそれなりにある形で、提案してロシアと協議すべきだ。正式加盟ではなく、準加盟のようなかたちではないかと思う。TPPなどある意味で中国包囲網だが、同時に中国もルールに沿うなら入れることを最初から否定はしていあない。平和による経済メリットこそ平和体制構築の鍵だ。
そもそも、この紛争の発端は、東欧やバルト三国が自分たちが最前線になりたくないからウクライナのNATOやEU加盟を望み、フランスやドイツが本音では歓迎しないくせに、条件がととのえばとか期待をもたすこといったのでウクライナが舞い上がったのが原因。英国は保守党政権が遠いこといいことにロシアといがみ合って火に油注いだ。
彼らがロシアも飲みそうな現実的提案をするべきだ。ヨーロッパが無理なものは無理と言って、はじめてウクライナも受け入れざるを得なくなる。いまはウクライナが争点だが、バルト三国もロシア系住民の扱いや、飛び地でバルチック艦隊の本拠地があるカリーニングラードは火薬庫みたいなものだ。ロシアと欧州の間に半世紀くらいはもつ安定した秩序をつくりださないと怖い。
ゼレンスキーは、プーチンとは話をしないと近衛文麿みたいなこと言うのがどうかしてる。英国などプーチンは癌だとかフェイクニュースばらまいて世界を惑わせたが、プーチンが失脚するのを待つのもおかしいし、プーチンがいなくなったらかえってロシアは不安定になり危ない。
マクロンは欧州軍を本当につくりたいと思っている。たしかに、欧州軍になれば、フランスの核戦力と軍需産業が基礎になるからフランスがヨーロッパを支配できるのだが、それがロシアと勢力均衡を得るためならいいが、ロシアを追いつめるためだとしたら、ナポレオンの教訓を生かしてないということだ。
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マクロン大統領・ゼレンスキー大統領と会談するトランプ氏 2025年12月7日 マクロン大統領インスタグラムより