米欧対立の激化を背景に、ヨーロッパ連合(EU)を構成する国々は独自の防衛力強化に向けた取り組みを加速することで合意しました。
EUは約127兆円規模の防衛予算を組むための資金調達を進める意向を表明しています。
EU特別首脳会議 防衛力強化 127兆円規模の資金確保へ大筋合意https://t.co/c96zqZfOzz #nhk_news
— NHKニュース (@nhk_news) March 6, 2025
防衛予算を増やす気配が一向に見られない欧州諸国に対し、トランプ政権はしびれを切らし、防衛義務の不履行をちらつかせることで、欧州の自助努力を促していました。
“トランプ氏は、米国がNATOの相互防衛義務第5条を順守するかどうかについて、再び疑問を呈している。これは初めてではない。そして、はっきりさせておきたいのは、メルツ氏のような欧州の指導者たちは、米国が順守するとはもはや信頼していないと述べているということだ。これは、何十年もNATOを弱体化… https://t.co/RXAxge9TVx
— イスラエルエリカちゃん (@syuu1228) March 6, 2025
米国がウクライナ支援に消極的に見えることも、EUが防衛力強化を急ぐ要因の一つです。
欧州、ウクライナ安保へ「有志国連合」:英仏が軸、米つなぎ留め狙う(日経) https://t.co/we19X3KXwt…①英仏が主体となり、英国からは陸上と航空機の部隊を送る用意。
②英仏は3万人規模の平和維持部隊の派遣を検討。
――集合写真。独逸は? pic.twitter.com/BgQSJxUL3c— 滝田洋一(Yoichi TAKITA) (@takitanufs) March 3, 2025
しかし、欧州が公約通りに抜本的な防衛政策の転換を図るかどうかは疑問です。
ウクライナ侵攻直後、ドイツのショルツ首相は『時代の転換点』が訪れたとし、大軍拡を表明しましたが、その遅さが指摘されました。
去年のドイツの流行語大賞Zeitenwende(時代の転換点)、本日のドイツの流行語大賞Panzerwende(戦車の転換点)。ほめる人あり、遅いだろうと怒る人あり、いずれにせよ、結果よしという感じのようである。ショルツ自身は、パートナーみんなで決めたんだからこれでいいんだと開き直っている。 https://t.co/pPJHxT4qAx
— Yoko Iwama 岩間陽子 (@2000grips) January 25, 2023
Germany is rearming too slowly to stand up to Russia
At current rates of procurement, Germany would re-establish its 2004 capabilities in combat aircraft in about 15 years, in tanks in roughly 40 years – and in howitzers in only about one hundred years.https://t.co/hqGSJWDgtj pic.twitter.com/v4Bb3rG6fQ
— Farnak (@Farnakyboy) September 28, 2024
”ドイツはロシアに対抗するには軍備の再整備が遅すぎる”
現在の調達率でいくと、ドイツは戦闘機では約15年、戦車では約40年、榴弾砲ではわずか約100年で2004年の能力を回復することになる
また、欧州の政府関係者の間では、米国よりも中国を信頼するという見方が強まっているとの観測があります。これが事実であり、欧州が経済面で中国との連携を強化すると、中国への依存が増大し、経済安全保障リスクが深刻化します。
このような状況では、防衛予算を増やしても脆弱性は残ったままです。
米と欧が乖離すれば「欧州はロシアと米国が連携を深める場合への備えとして、中国との経済協力、さらには軍事協力さえ模索する可能性がある」と。恐ろしい未来像。/米国離脱後の世界、欧州は準備し始めた-NATO元司令官 https://t.co/jgnwJ5zG8F
— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) March 7, 2025
大局観で見ると今後欧州と日本は親中的なスタンスにシフトする可能性が浮上しました。特に欧州は中国と直接覇権争いしておらず、経済関係も強いことから中国に急接近する可能性があります。
— Emin Yurumazu (エミンユルマズ) (@yurumazu) March 1, 2025
欧州独自の防衛力の必要性を認識しているはずの人々の『涙』を見ると、欧州の本気度に疑問を感じざるを得ません
演説中に泣いたミュンヘン安全保障会議の議長クリストフ・ホイスゲン氏。しかし彼の母国ドイツは「天然ガスをロシアに頼りすぎるな」というトランプの警告を嘲笑していたわけで…。さんざんアメリカを見下しといて、いざこの状況で「泣く」って、なんだこの情けなさは。pic.twitter.com/sz6GIqWXsg
— 上山和樹 (@ueyamakzk) February 18, 2025
約70年にわたり、欧州の防衛努力を求める米国と、それに抗い続ける欧州の構図は変わっていません。
❝By the end of Eisenhower's presidency, even he was concerned that Europe was not shouldering enough of its own defense❞
❝Make no mistake, President Trump will not allow anyone to turn Uncle Sam into Uncle Sucker❞
US Defense Secretary Pete Hegseth warns NATO allies that… pic.twitter.com/VnfONrLi5V
— Anadolu English (@anadoluagency) February 13, 2025
「アイゼンハワー大統領(1953年から1960年まで)の任期の終わりには、彼自身もヨーロッパが自国の防衛に十分な責任を負っていないことを懸念していた」
「間違いなく、トランプ大統領は、誰かがアンクルサム(米国)をアンクルサッカー(金ずる)に変えることを許さないだろう」
ピート・ヘグゼス米国防長官はNATO同盟国に対し、米国は利用されないと警告し、欧州に防衛費の増額を要請した。
欧州はついに米国からの自立を果たすことができるのでしょうか?

ゼレンキー大統領インスタグラムより