私は今まで10年近く、アメリカや欧州在住の意地の悪い日本人に、「ナタの人」と呼ばれてきました。
これはなぜかと言うとイギリスではナタを使った殺人や犯罪が大変多いために、そういった事件が起きるとナタで襲われたという投稿をXで行ってきたからです。
海外在住の日本人や日本に住む人々も、ナタで襲撃されたNHKから国民を守る党の立花孝志党首の事件で、刃物やナタによる犯罪が日本とも無縁ではないことがわかったのではないでしょうか?
襲撃直後の立花氏 NHK党インスタグラムより
私は日本でもナタのような攻撃性が高く、致死率の高い大型刃物による犯罪は一般化するだろうという意味でイギリスの実例を忍耐強く伝えてきました。
日本の人に少しでも自衛マインドを身につけて欲しかったからです。
私がイギリスにおける刃物による犯罪のことを頻繁に投稿するので、在外の日本人は私を「嘘つき」を呼び、「ナタの人」と呼んで茶化すことで「事実」を矮小化してきました。
なぜ彼らが私のこのような投稿を笑いものにしていたかと言うと、自分たちがいかに治安が良くて高級な住宅地に住んでいるかということをアピールしたいがためです。日本の人々に対しては海外に住んでいる成功した人間を演出しておかなければならないからです。彼らは自分のアイデンティティを大きく見せるために私のような人間を笑いものにしてきたのです。
しかしそのような人々が海外の治安の実態や問題を正しく伝えないことで、日本の人々は日本に持ち込まれる犯罪を予測したり具体的な対策を取ることが遅れてしまいました。
私は自分の著書である『世界のニュースを日本人は何も知らない』シリーズでもこのような事件を取り上げて日本人に注意を喚起するようにしてきました。
しかし事実イギリスではナタや刃物による殺人や犯罪が激増で社会問題化しており、政府は対策に苦労しています。
イギリス統計局によれば、ここ10年で刃物を使用した犯罪は80%も増加し、一年で3500名余が刃物による犯罪の怪我で病院で治療を受け、一年間に25歳以下の若者57名が刃物による犯罪で死亡しています。これは10年前の2.4倍です。
2023年から2024年までの一年間の刃物による死亡者は263名で、1983年の倍近くになっています。
あまりにも犯罪が多いのでイギリスでは2024年9月から刃渡り20センチ以上のナタやゾンビナイフの所有が禁止され、所有者は政府や犯罪防止団体に匿名で提出すれば罪に問われない仕組みまではじまりました。
さらに大型の刃物だけではなく小型の刃物の回収を行う活動も行われています。犯罪が多い地域の非営利団体は、刃物を捨てることができる特殊なゴミ箱を街中に設置しそこにナイフを匿名で捨てることができるようになっています。
また刃物を提出するとお店の商品券がもらえるという仕組みもあります。警察が家宅捜索して刃物を回収する刀狩りは難しいので、商品券などで報酬を与えて回収しようという仕組みです。そこまでしないと刃物による犯罪を減らすことができないという本当に深刻な状況なのです。